act.3

他人任せってまさにこれ




「仁王、どこ連れてくき?」
「いいからきんしゃい」


着いたのはテニスコート。
目の前には部長さん。


「あ、こんにちは。ちょっと仁王どういうつもりよ!」


襟をつかんで揺さぶれば、幸村を指差す仁王。


「落ち着き。用があるんは、幸村の方じゃよ」
「面識ない人がなんであたしに用事あんのよ!あっ、もうドラマの再放送始まるじゃない!」


本当におもしろい子だ。


「俺と付き合って下さい」
「はいいい?!!なに言っちゃてんの、この人おおおお!!初対面だよ、初対面んん!!」
「幸村、省きすぎじゃ。実は、かくかくじかじかでな」
「わかるかっ!」


話が進まない。ねえ、帰っていい?帰ってもいいよね!!


「高野、俺が説明しよう」


突如現れた真田からすべて聞いた。こういうの柳や柳生の仕事だと思うんだが。真田が説明ね、に、似合わねええええ!


「すまないが、やってくれないか!」
「え、いや、あたしはちょっと…」
「頼む、幸村がやっと目にとめたんだ!」


土下座キタアアア!!
皇帝に土下座させてるよ、あたし。周りからの視線が刺さる。
こ、断りにくいいいい!!
だが惑わされないぞ、あたし!


「ほ、ほら、他にも女子ならたくさんいるじゃない」汗
「君じゃなきゃ、だめなんだっ!」
「ぎぃやあああ!!」


かたっ、肩に指がめりこんでるよ、真田あああ!骨、骨砕けるううう!!泣


「ここまで真田も頭下げてるし。ね、お願い」
「初めにお前があたしに頭下げろよ」
「ふふ、ここまで俺に言った人初めてだよ。高野さん、優勝するために力を貸して欲しい。俺のパートナーになってください」


周りを見れば、顔真っ青。あたしに泣きつく真田は震え、…え?
あたしなんか相当やばいことやったのか?!
てか、真田キモい!制服に変な汁ついたあああ!!泣


「どうかな?」


ため息をひとつ。


「ここまでされて断るほど、鬼じゃないよ。だけど、あたし素人だから下手だよ」
「大丈夫、俺がちゃんと教えるから」


やっと幸村くんにパートナーが見つかりました。






11.01.23

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