「俺ちょっと寄りたいトコあるから別行動していいか?」

ペトナジャンカにて
道具・装備などの荷物整理を終え宿屋へ向かう途中にティトレイが宿屋とは反対方面を指を指しつつ皆に告げた

「それは構わないが…」
「セレーナさんの所ですか?」

アニーがこの町に住む彼の姉の事を思い出し、聞いてみればティトレイはちっちっちと人差し指を立ててそれを横に振る

「まぁ勿論姉貴の所にも行くぜ?だが俺にはそれに加えて行かなきゃなんねー所があんだよ」
「へぇ〜…なに、コイビトとか?」
「……いや、そんなんよりもっと大事だ!!!」
「……………うっそぉ!?」

声を上げたのはマオだけであったが他の5人も思わず目を見開き驚いていた
旅の途中あれだけ姉貴姉貴とうるさいティトレイがこうもアッサリそれ以上の存在を認めたのだ
ヴェイグですらも同様に目を見開く程で、そんなヴェイグ・ユージーン両者の目の前にビシッと指を突出す

「そんじゃ、ちょっくら行ってくらぁ!あ、絶対着いて来んなよ!!特にヴェイグとユージーン!」
「「……?」」

当の2人は何故指名されたのかが全く分からず疑問符を浮かべる
そして笑顔で駆けて行こうとしたティトレイだったが、ブレーキをかけた様に急に立ち止まった
マオが何に立ち止まったのかとひょっこり背中越しに前を見たがその理由は見つからず

「?どうしたのティトレイ、急に立ち止まっ「ニーナーッ!!!!」

瞬間、とある人物の名前を叫びながらもの凄い勢いで駆け出して行った
その声に反応したのか視界に入っていた1人の少女が振り向く


「ニーナァァァ!!!」
『きゃあぁぁぁ!』


効果音を付けるならガバッ、と言った感じにその少女に抱き着いた
少女の持ち物であったバスケットが地面に落ちる
辺りにはバスケットに入っていた色とりどりの花が散らばったものの、ティトレイはそんな事に気付く事はなく視界にはその少女しか目に入っていない



バシコーン


「へぶっ!」
「嫌がる乙女に何してんのよ緑頭」

一種の硬直状態から一番に動き出したのはヒルダだった
問答無用でティトレイをシバき倒し2人を引き離せば地面に倒れ込むティトレイを見て少女は小さくあ、と声を漏らした
遅れてアニーも動き出し、少女に駆け寄る

「大丈夫ですか?」
「まったく…ティトレイったら何なのサ、いきなり走り出して」
「いつにも増して気味が悪いわ」

倒れ込んだティトレイに哀れみの視線を向け傍に座り込むマオ
ヒルダはトドメとでも言わんばかりに突き刺さる言葉と視線を送る
少女は視線こそティトレイを向いていたもののかなりの苦笑いだ
ヴェイグとユージーンはいそいそと散らばった花を拾っている

「それはそうと…アンタはティトレイとどう言う関係なんだ?」
「見た所、ただの友人と言う関係ではなさそうだが…」

そんなに量もなく、あっという間に集まった花を再びバスケットに詰めヴェイグがそれを少女へと返す
すると少女はそれを受け取ってから慌てて5人へ向き直った



『あ、すいません!自己紹介が遅れました!

私の名前はニーナ・クロウ

兄がいつもお世話になってますっ』






「え……」




「「「えぇぇぇぇ!?」」」





(衝撃の出会い)

(言われてみればどことなく似てるわね…)
(あはは……)
(どうりでセレーナさんの事以上に真剣になる筈だヨ…)


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03/30 (21:17)
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