おもしろくねぇな
「この前買ったドレスどこやったっけ?」
態々買って来たドレスを着るのも、
「やっぱりこのネイルにして正解だった!ドレスと色ぴったり」
普段行かねーネイルサロンに行くのも、
「化粧して...あ、髑髏に髪やってもらわなきゃ」
先日発売した有名ブランドの新色のグロスをつけるのも、全部、全部おもしろくねぇ
他のマフィアとの重要なパーティーだから気合いを入れるのは当然だが、オレ以外の男の為なら話は別だ
今夜行われる他のマフィアとの親睦パーティー
今回のパーティーにはツナと***だけが行くことになった
ボンゴレのボスと、ボスの秘書として
***はさっきからツナが恥をかかねーように念入りに準備している
自分の女が綺麗になるのは嬉しいが
他の男、ましてやツナの為ってのがどうしても気にくわねぇ
しょうがねぇとはわかってるが...気にくわねぇもんは気にくわねぇんだ
「どう、リボーン。似合う?変じゃない?」
鏡に向きっぱなしだった***はこやっとを向き、ドレスの裾をふんわりと翻した
久しぶりに見る、***のドレス姿
変なわけねーだろ...寧ろ似合いすぎてやばいな
この姿を他の奴が見るんだと思うと気が気じゃねー
こんなことになるなら、ツナの秘書をこいつにさせるんじゃなかったな
「まぁ...いいんじゃねぇか?馬子にも衣装だな」
「それ、褒め言葉じゃないんだけど」
「オレにとったら褒め言葉だぞ」
「ふぅん?」
不服そうだな、***
ま、当然だな。馬子にも衣装と言われて喜ぶ奴なんかいねーぞ
褒め言葉じゃねーことくらいわかってる
でもこうでもしねーとやってらんねーんだよ
「ひねくれてるよね、リボーンって
似合うなら似合うって言えばいいのに」
「...何が言いたい?」
「今、リボーン嫉妬してるでしょ」
「っ!!」
「出てる、顔に」
思ってることが?顔に?
はっ、ありえねーな
オレは一流の殺し屋だぞ?
妬いているのは本当だが、顔に出るわけねー
「妬いてる時、下唇噛むの、無意識?」
「っ....!」
***の言葉で初めて気付いた
確かに、噛んでしまっている
まじでか
自分でもかなり無意識だったから動揺を隠せねぇ
「久しぶり..いや、初めてかも
こんな動揺してるリボーン」
「っうるせーぞ...」
「レアだね、レア」
勝ち誇ったような***の笑顔がかなり悔しい
くっそ...格好悪ぃなおい
こいつの前じゃいつものポーカーフェイスも余裕もどこかへ飛んでっちまう
それだけこいつに惚れてるって事かも、な
「リボーン」
「...なんだ」
鏡の前に立っていた***は今はオレの膝の上
いつこっちに来たんだ?
オレは***が来たことにも気付かねーくらい思考ぶっ飛んでたのか
オレの首に腕を絡め、未だに勝ち誇ったような顔の***
「パーティーに私を行かせたくない?」
「.....」
「ボスの為に着飾るのが気に食わない?」
「.......」
「リボーン以外の男にドレス姿見せるの、嫌?」
「....わりぃか?」
「んーん、悪くないよ
ただやきもち妬いてくれて嬉しいなって」
ちゅっ
「でもね、私にはリボーンしか見えないから
嫉妬は無用だよ?」
「!」
「ね?」
そう言いもう一度短いキス
おいおい、まじで妬いてたオレが阿呆みたいじゃねーか
膝の上の***は無邪気に笑ってやがる
確かに、いらねー心配だったようだな
やられっぱなしってのは性に合わねーから***を抱き寄せオレからもキス
大人しく腕の中に収まってるこいつが愛しくてしょうがねぇ
「リボーンって案外やきもち妬きだよね!」
e` cattivo--e` dal primo che e` invidioso.
わりぃな、嫉妬深いのは元々だ
(パーティーん時他の男3秒以上見たら殺すからな)
(だから!リボーンしか見ないし、見ようとも思わないってば!!)
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マキ様へ written by 月