いつかは、どっちか選ばないといけないの?
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「…おいエド。いい加減***から離れろよ」
「…何だよ冬獅郎。お前こそさっさと***から離れろ」
『………;』
さっきからずーっとこの状況。
あたしの右腕を引っ張るエド。
あたしの左腕を引っ張る冬獅郎。
そして間に挟まれているあたし。
正直、どうしていいか分かんない。
『……ねぇ、ふたりとも…』
「なあ、***はどっちなんだよ?」
『へ?』
「俺と冬獅郎、どっちが好きなわけ?」
『そ、そんなの…』
決められるわけない。
だって、ずっと3人で一緒に居て、急にどっちが好きかなんて聞かれても……
「ばか、そんなのいきなり聞かれたって困るだろ」
『…冬獅郎……』
「でもよ、いつかは決めなきゃいけねえんだぜ?」
「…それは……、」
チラリと隣を見ると、俯いてしまう冬獅郎。
やっぱり、いつかはどっちか決めなきゃいけないの?
あたしは、ずっと3人で居たいのに……
それじゃあ……ダメなの?
『ごめん。あたしトイレ行って来るね…』
「「…***…」」
大好きだから、決められない。
でも……
「…***!」
『…冬獅郎……?』
本当の気持ちは
「…ちょっと、話さねえか?」
『う、うん…』
ぎこちない返事を返すと、少しだけ微笑み、屋上へと向かう冬獅郎。
本当の気持ちはね。
――――――…‥
「…***、大丈夫か?」
『うん、あたしは大丈夫…』
「……話の続きだけどよ、さっきエドが言ったことは気にすんな…」
『…冬獅郎……』
でも、いつかは決めなきゃいけないんでしょ?
優しい手で、ポンポンと軽くあたしの頭をたたく。
「別に焦ってねーし、***の気持ちの整理がついたら話してくれれば良いから」
『…うん…』
違うよ冬獅郎…
ほんとはね、本当はちゃんと決まってるの。
エドと冬獅郎どっちが好きか……
『…ねぇ冬獅郎、もしあたしがどっちかを選んだら、もう3人では居られないのかな?どっちかは、あたしから離れて行っちゃうの…?』
「…んなことねぇよ」
今の気持ちを伝えたら、もうあんな風に3人で笑えない?
『ふっ…ぅ…』
「…ばか、泣くなよ」
『だってぇ…』
泣かないなんて無理だよ
あたしのたった一言でエドか冬獅郎の、どちらかを傷つけちゃうんだ…
「俺たちは、お前にそんな顔してほしくて告白したんじゃねぇんだから…」
分かってる
ちゃんと分かってるよ?
でも……、
『あたし、本当はもう決まってるの…』
「え…?」
『ふたりのどっちが好きか…』
これを打ち明けたら
「……どっちなんだ?」
全部が壊れちゃうような気がして……
『…っ…』
「安心しろ。エドも俺も、そんなんで離れてく奴じゃねぇから」
『…うん…』
一生この気持ちは、胸の中にしまっておくモノだと思ってた。
『あたし、冬獅郎が好きだよ…』
「***」
バンッ
『え?』
「エド…お前……」
「悪い、全部聞いちまった」
冬獅郎が何か言いかけた時、屋上の扉が勢いよく開いた。
『エド…あたしっ……きゃあ!』
「なーにシケた面してんだよ***。お前が笑ってねぇと、諦めらんねぇじゃん…」
グシャグシャとあたしの頭を撫でるエド
「エド…」
「最も、諦めるつもりなんてサラサラねぇけどな?」
『エド、あたしから離れていかないの…?』
「当たり前だろ?」
クシャッと笑う自信満々の笑顔。
『ありがとう、エド!』
「うおっ…//」
ずっとずっと
今まで通りで良いんだ……
「お前が誰を好きでも、俺はずっと***の側から離れねぇから」
『…エド…』
好きだって言われたのは俺なのに、なんだコレ……
なんかこれじゃあ、エドが***に好きだって言われたみてぇじゃねえ?
……つーか、ムカツク。
ベリッ
『と、冬獅郎?』
「…んだよ、冬獅郎。早速やきもちか?」
「うるせーよ。つーか、お前は***にくっつき過ぎなんだよ!いい加減離れろッ」
いつまでもエドに抱きしめられている***を引き剥がし、自分の後ろへと隠す。
「何すんだよ冬獅郎!***はお前と2人じゃなくて、3人で居たいって言ってんじゃねーか!」
「彼氏でもねぇお前に言われる筋合いねぇっての。少しは遠慮したらどうだ?エド」
『…あの…2人とも…』
「俺たちは今から、お楽しみの時間なんだけど?」
「なっ…」
ざまーみろエド
これが彼氏の特権だ。
「てめぇ…」
「ま、別に俺はお前が居ても構わねぇけど…」
『え?』
その代わり……
チュッ
『…っ…冬獅郎…///』
「思いっきり見せつけてやるけどな?」
「クソッ…!」
抱きしめたり
キスしたり
エドには悪いけど、我慢は体に良くないって言うだろ?
「***、俺とこれからキス以上のことするか?」
『キス…以上のこと…?』
ポカンと意味を理解していない***が、めちゃくちゃ可愛いくて……
ゆっくりと再び***に顔を近づける
「***」
『ふぇ…と、冬獅郎//……きゃッ!』
チュッ
「なっ…」
「残念だったな冬獅郎。そう何度も***とキスさせて堪るかよ!」
『…エド…//』
「てめぇ、だからって口にすることねぇだろーが!」
「あ?大体、俺はまだお前が***の彼氏だなんて認めた覚えねぇし」
フフンと得意げに鼻で笑うエド。
「まだまだ勝負は終わってないぜ?冬獅郎」
「あぁ、臨むところだ…」
でもまぁ……
『ふふっ♪エドってば』
「なーに笑ってやがる***…」
『冬獅郎…//』
チュッ
『…〜〜っ///』
「…あ、ほっぺたで残念だった?」
『ばかっ!//』
コイツの笑顔が見れんなら
「次はちゃんと唇にしてやるよ」
『…っ…///』
暫くこのままってのも
良いかもな?
fin.
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Puppy★の憂羽さまからの頂き物(^^*)
憂羽ちゃん、この度は素敵な夢をありがとう!
シロちゃんとエドで私が欲張っちゃって…!
でもすっごく嬉しかったよ(*^o^*)
ありがとうございましたっ!!!!