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ギャップ萌え!
 茜色に染まった教室で、影を伸ばす二人(一匹?)。……ビミィ先生をじぃ、と見つめるとドキドキと胸が高鳴って死んでしまいそうになる。

「……ナマエ?どうしたりゅい?」
「先生」
「うん?」

 ……好きです、と。自分の部屋の中で何度練習したことか。余計なことは言わない。たったの4文字「好きです」と伝えるためだけに、どれだけ時間を使ったか。

「わた、私……」

 どうしていつものように、軽口を叩くつもりで言えないのだろうか。ドキドキと早鐘を打つ心音がとても大きくて、先生の声すら僅かにしか聞こえない。

「…………す」
「え?ごめん、聞こえなかったりゅい」
「……私、ビミィ先生が好きです!」
「……え」
「返事は、今じゃないくていいですっ」

 そう言って、教室から駆け出す。ああ、よかった!ビミィ先生が動物の姿をしていて本当に。だって、人の姿だったら逃げられる自信がない。

「……好き、りゅい?」

 そう、教室で飛ぶのを忘れて呟いてる先生なんて知らないまま。

 * * *

「……あーあー」

 そして案の定私はその夜眠れるはずもなく、一人で夜空を見ていた。やっぱりここの夜空は何度見ても綺麗だなぁ。

「りゅい」
「……、えっ?!」
「久々に許可をもらって本来の姿になってきたよ」
「……あの、私を殺す気ですか」

 卒倒してしまいそうなくらい、心臓に悪いよ。動物の姿でさえ見るだけで息切れがするのに。人型なんて、ずるいよ……。

「普段だってかわいいのに人物までイケメンってなんなんですか……本当に殺しにきてるんですか……」
「そ、そんなつもりはなかったぞ」

 と、言いつつも若干嬉しそうな顔をするビミィ先生。なんだろう、なにか嬉しいことでもあったのかな。

「……動物姿を褒められたことなかったから、割と嬉しいぞ、うん」

 と言ってニコニコと微笑む。……くっ、死ねる。絶対今死ねる……!

「あの、逃げてもいいですか」
「?ダメに決まってるだろ」
「りゅ、りゅいがない破壊力やばすぎでしょう先生……!」
「……何言ってるんだりゅい。……あ」
「……わ、私振られるんですかね……?」
「…………」

 な、何も言わないのが逆に辛いです先生……!なにか、何か喋ってください……!

「ん、……オイラも好きだぜ」
「え……」

 一つ呼吸を置いてそう告げられる。……え、今、好きって言った……!?

「……今、なんて?」
「ん?だから、好きだぜって」
「えええええ!?」

 今、超絶今!ぷしゅううううという音を立てている気がする!顔あつ!あっつ!死ぬんじゃないこれ!?

「……大丈夫か?真っ赤だが……」
「う、う大丈夫です……」
「それで、お前の返事は?」
「え……?」
「オイラは好きだぜ。お前は?」
「……好きです」
「……じゃあ、オイラたちは」
「カップルでいいですか!?」
「はなまるよくできました」

 ぽんぽん、と頭を撫でてくれる。……はわわ、死んじゃう死んじゃう……!

ギャップ萌え!
(……動物姿のときと印象違いすぎません!?)
(……でも、でもでもでも好きっ!)

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