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あの後黒いサッカーボールを見つけて調べていたら、何故か宇宙人と間違われてSPフィクサーズというチームと試合をすることになってしまった。

宇宙人ではないと証明するための試合、ってことらしいけど。あの女の子、私達が宇宙人じゃないってわかってるよこれ。明らか何か企んでるような目してたから。けどまあ、言わない方がいいのかな。

試合前指示を仰がれた瞳子監督は「あなた達の思うようにやってみて。ただし、名字さんは前半は控えよ」と行った。え、あれ、私ベンチなの。私ベンチ回ったら10人しか居ないけど大丈夫なのかな。いきなり入るも難しいけどさ。

「それじゃあ結局人数が足りねえじゃねえか!」

「まあ、待て。名字は俺達のサッカーを見てからの方がいい。いきなり入って連携は難しいからな」

荒げた声を上げた染岡くんに有人さんが冷静にそう言った。それに、と有人さんは続ける。

「前半見れば後半には上手く合わせられるだろう?」

「もちろん、任せてよ」

笑って見せれば有人さんも満足そうに笑った。



いよいよ試合が始まった。
私がこの前見ていた帝国と雷門の試合の時よりも雷門の面子は皆見違えるほど強くなっていた。気迫も、技も、身のこなしもずっとずっと強くなっていた。短期間でここまで変われるものなのか。

「すごい…」

「でしょう?これが雷門イレブンなのよ」

思わず漏れた感嘆の声に横にいる夏未さんがそう言った。けど、何かが引っかかる感じがして仕方がなかった。どこか軋んでいるような感じがする。どこが?試合に集中した。

「ザ・タワー!」

向こうの女の子の必殺技で染岡くんが足を妨げられた。その時クッと染岡くんが声を漏らした。

「監督」

私が声を掛けると監督も同時にわかっていたようで「ええ」とだけ短く返事をした。怪我をしている。軋むように感じたのはそこだ。上手く動けていない選手が3人いる。それでどこか違和感を感じたのだ。

「あなたも流石ね」

前半終了直前に監督は私にそう言った。

前半が終わり、後半戦に入る。
監督が染岡くん、風丸くん、壁山くんのベンチ入りを指示し、代わりに私が入ることになった。
皆は監督に不信感を抱いてたけど、理由がわかってる私からすればおかしい話ではない。

「有人さん、最初は私にゲームメイクさせてくれないかな」

「…構わないが」

「大丈夫だって!さあ行こう」

後半が始まった。人数が少ない分目まぐるしく動かなきゃいけない。結構しんどいけど、それなりに楽しかった。有人さんとするサッカーが久しぶりだったからかもしれないし、戦況が目まぐるしく変わっていくのをコートの中で感じられたからかもしれない。途中で有人さんが監督の作戦に気づいてからは
ゲームメイクは有人さんに任せた。最後は戦略勝ちで豪炎寺くんのファイアトルネードで私達の勝利となった。やっぱり有人さんは流石だ。

試合終了のホイッスルが鳴ってあの女の子は言った。

「流石だね、日本一の雷門イレブンは!」

…やっぱりこの子わかってたんじゃないか。





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