おはようございます。私は、昨日思っていた通り早めに起きたつもりです。時計の電池が無いせいで時間がわからないけれど…。
それから、着替えやその他の仕度も終わらせてから皆のいるであろう場所に向かっています。
私は基本的にトップの3チームのマネージャーをやっている感じ。何故だかわからないけど、私はメンバーに入れて貰えず命じられたのがマネージャーだった。
正直、戦力外だって告げられたみたいでムカついたしショックをうけた。私は皆と並んでられないのか、って。
確かに皆よりもサッカーが上手くはなかったから、楽しむ程度でしか出来ないってちゃんと分かってたけどね、それでも認めたく無いって気持ちがあった。
でもそんなのいつまでも言っててもしょうがないから割り切ることにして、今はこの立場をそれなりに楽しむことにしている。
ガゼル達の姿を見つけ近づいていくと、チームの皆ともう既に練習を始めていた。…おかしいな、今はまだ7時くらいだと思っていたのだけど。
そう思って時計を見ると、時刻は9時半を優に過ぎていた。
『…時計、壊れてるのかな…。』
「馬鹿か、壊れてんのは時計じゃなくてお前の頭だろ」
いきなり、バシッという効果音つきで私は頭を叩かれた。地味に痛い。叩いたやつを見ようとして後ろを振り向くと、そこには両キャプテンさん達が居らっしゃった。
『何すんのさ!馬鹿になるじゃん!』
「もう馬鹿だろ」
うわ、なんだろう。バーンに言われると凄く苛々する。この糞赤チューリップめ、私を嘗めてるのか。
ガゼルはというと、バーンに言われるなんて相当だなと鼻で笑う感じで言ってた。ははは、酷いや。
『ガゼルに言われるならまだしもバーンに言われるなんて、なんたる屈辱…。』
「てめぇら二人して、俺を馬鹿にしてんだろ…!」
「「もちろん」」
私と、ガゼルバーンを弄るときだけは何故か息がぴったり合う。楽しい楽しい。そのまま二人と騒いでいると、練習していた皆が私達の方に一斉にやってきた。
それはもう凄い勢いで。
「なまえ!久しぶり!帰ってきてたの?」
『う、うん、昨日ね。』
「心配してたんだよ。」
『ごめん…』
などなど、ずいずいと迫りよってくる皆に少し押されつつも質問に答えていった。気迫が怖いよ。先程まで話していた二人はあっという間に空気と化してかやの外。
なんだか、皆の対応に凄い癒される。心配してくれたことが凄く嬉しく感じられる幸せ。
数分後、空気さん2人の「練習しろ」という言葉によって私は解放された。2人も練習しろよ。
『じゃ、私は真面目にマネージャー業でもしますか。』
私はそう言ってその場から離れていった。
通路を歩いていると、昨日はいなかったグランに会った。「やぁ、なまえ。久しぶりだね」なんて、相変わらずうざったい。その笑顔が私は嫌いなの。
『ほんと、久しぶりね。グラン』
「いつのまに帰ってたの?」
『昨日。グランがいないときにね』
皮肉を込めたつもりだったけど普通にスルーされてグランはふーんと興味なさそうに言った。興味無いなら聞くなと言いたい。
「…ところで、今まで何処に行っていたんだい?」
『……グランには関係ないでしょ。』
関係なくないのかもしれないけどこの際どうでもいいや。私はそのまま立ち去ろうとした。
「守達の所…?」グランに言われびくりとする。やっぱり知っていたのか…。そんな予感はしていたけれど。知っていたならわざわざ質問してくんな、たちの悪い。
『……そうだったらなに。』
「守達と行動するなんて、何か考えでもあったのか?それとも…、ただ楽しかっただけなのかな」
にこにこしながら言ってくるもんだから、何が楽しいのか聞いてみたくなる。あぁ本当、一々言い方がむかつくな。誰かさんに似て短気になったのだろうか。
私は、グランの質問には答えないまま、その場から離れた。答えたくない、そう思ってしまったから。
それはきっと、私が思ってる以上にキャラバンの皆といるのが楽しかったからなのかもしれない。
でも、敵である以上そう思っていいのか私にはわからなくて、悩みが増える一方だ。グランはなんでそんな事を聞いてきたのかよくわからないけど、考えるのも面倒臭いや。
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