平日の昼間、正確には世間でいうおやつの時間の頃、私は退屈に思いながら、車の中から空を眺めていた。空には雲一つない清々しいくらいの青空が広がっている。



少しすると、一変して空はどんどん暗くなっていき、鈍よりしていて怪しい感じになった。暗さがまるで今の私心のように感じて嫌になる。
ここは静岡の富士の樹海、そして私は星の使途に向かっていた。でも、拉致られてるとかそういう訳ではなくて、正確には連れ戻されたというのがには的確なのかな。
少しの間、何も言わずに抜け出していたら流石に迎えが来てしまってことだ。





何分かそのまま車にのっていたら、どうやら目的地に着いたらすくいきなり車が止まった。はぁ、長時間座りっぱなしはやっぱり疲れる。
話相手もいなかったから尚のこと長く感じたし。なんとなくムッとしながら車を降りて建物に向かって歩いた。


扉を通って中に入っていくとそこにはバーンとガゼルが何故かいて、私に気づいた2人は足早に近づいてきた。

『…ただいま。』

「おかえり、なまえ」

「ったく、今まで何処行ってたんだよ」

心配してたんだよ。と言って二人はいつも通りに接してくれた。なんだか久々のこの会話が楽しくてもっと話たい気分になったけどその前にやるべきことがあったのを思い出してがっかりする。

『心配かけてごめんね。…帰ったらすぐお父様の所に行くように言われてたから、ちょっと行ってくる』

2人にそう告げてその場を後にした。わざわざ叱られることが分かっていて行かなきゃ行けないのはどうも気が滅入るなぁ…。







案の定、怒られた。そりゃそうだろうね、ぶっちゃけ自業自得だともわかってる。でもどうしても納得することを嫌がる気持ちが出てきてまだまだ子供だと思いながらも言葉が吐き出される。

『…別にいいじゃん!少しくらい出て行ってたって…』

「ダメだろ、普通。せめて何か言ってからいけよ」

贔屓されてる奴じゃねーんだから、とイラついた様に付け足したバーンにまたそのことを出すのかと内心呆れる。あの人が贔屓されてようがなんだろうがどうでもいい。
そう思うのはやっぱりキャプテンでも無いし特別一番を取りたいとかそういう欲望があまり無いからだよね。

『嫌だよ、絶対止められるもん』

気分的には軽く家出みたいな感じだったから。それにたまたまとは言え、居た場所が所謂敵対してる人達のとこだからね。他の理由もあったけど。
だから私は何も言わずに出かけてた。勿論、二人にも何も言ってなかったんだ。でもまぁ、心配をかけて申し訳なかったかな。内心で再度謝っておこう。
ああ勿論もう一人、グランにも言わなかった。そういえばグランは何処にいるんだろう。見かけてないな…。

『ねぇ、グランをさっきから見てないけど、どこ行ったの?』

「…あいつならどうせまた、円堂のとこじゃねぇの?」

あぁ、そっか。グランも円堂のところに、ね。もしかしたら…。なんて考えるのは止めておこう。無駄に疲れるだけだし、嫌な気分になる。

『…そろそろ、部屋戻るね。なんか疲れたし眠いから。』

そういうと、明日はチームの皆に顔見せろって言われた。皆も心配してくれていたらしくて、色々大変だったらしい。良い仲間を持ったもんだね。

それから、私は自室に戻り自分のベッドに飛び込んだ。一気に襲ってきた睡魔に抗わないで、明日は早めに起きようかなとふと思ってから眠りについた。


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