『ねぇ、京介。部活はいいの?』

此処最近、京介は毎日のようにお見舞いに来てくれている。優一のついでとはいえ、京介に会えるし来てくれるのは嬉しい。だけど、正直部活が心配だ。

たしか前にサッカー部に入ったと言っていたのに、毎日こっちに来ているなんてサボってるとしか思えない…。
でも、何回聞いても別にいいんだよ。って言うだけ。心配してやってるのにさ。今回もお決まりの如く先程のような台詞を言った。

『優一だって心配してるでしょ、たまにはちゃんと出ないと駄目だよ?』

「……あぁ。」

…え、今なんか不機嫌になんなかった?なにか変なこと言っちゃったかな?

『京介…?』

「なんだよ」

『……ううん、何でも無い。』

うん、気のせいだよね。京介が不機嫌そうな顔してるのはいつもだよね。笑うのなんて優一の前でしか見たこと無いもん!……たまには私の前でも笑ってくれたらいいのにな。

『あ、そうだ!この前ね、松風くんが来たんだよ!』

「……!」

『前に何回か話たことあったんだけど、私が入院してるっていうの聞いたらしくて−……っ!!?』

なんでこの子いきなりキスしてきてんの!?意味がわからない!まだ私、話してる途中だよ。…いや、話終わってからなら良いとかそういう問題でもなくて…!ていうか私、初めだったんだよ!?




『……ん…っ…!!』

いつまでしてるつもりだ…!いい加減、酸素が切れそう…。でも、押し退けようにも後ろから押さえられていて敵わない。叩いてみるも完全スルーだ。


『……っ。いきなり、何すんのっ…。私、何か変なこと言っ、た?』

ようやく解放されたので、まだ息が整わないながらも聞いた。

「………話」

『…え?』

「…あいつなんかの話するんじゃねえよ…!」

『あいつって…松風くん?』

まさかの松風くんが原因ですか。え、なに?二人仲悪いの?それだったら、キスされるのは可笑しくないかな!?


『……もしかして嫉妬…?』

じゃ、無いよね。なんて語尾につける間も無く京介は顔を赤くさせてそっぽを向いてしまった。…なんだよ、可愛いな。嫉妬って…うん、だから優一のことだした時も不機嫌っぽくなったのか。…実の兄に嫉妬すんなよ……。



『……京介、好きだよ』

「…は?」

『京介は?』

「……好きだ」

『うん。』

「だから、松風とか兄さんの話すんな…」

『はいはい。』



(ねー京介!この前神童くん達が来てくれた!!)

title byLulu
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