あったかい。いや、寒いんだけどね。なんせ今は冬だもの、寒くないはずがないよ。
矛盾してるって?うーん、なんだろう。心が暖かいとでも言ったら良いのかな。そんな感じなの。



神童といると、暖かくなってくる。気持ち的にも、体温的にも。


『神童って、体温高いんだねぇ、こんなに寒いのに手とかあったかい。』

そうですか?って、尋ねてくる神童が凄く可愛らしくてもっと抱き着きたくなった。でも、多分恥ずかしがりやな神童は怒るんだろうなぁ。やめておこう。

「なまえ先輩の手が冷たすぎるんですよ。」

『そんなこと無いよ。…多分』

仮に私の手が冷たすぎるとしても、神童があっためてくれるから良いの。そう笑ってみると、神童は少し顔を赤くした。私としては、自分の体温が低い方が万々歳。神童にくっつく理由になるし、こうしてるのが好きだからね。

『それに、知ってる?手が冷たい人は、心があったかい証拠なんだよー。』

まぁ、私の場合はそれはないけどね。って言おうとしたのに、神童の目が潤んで来ていた。流石の紙メンタルなのね!少し悪戯っぽいこと言いたかっただけなのにな、基準がよくわかんないよ。

『…別に、神童の心が冷たいって言ってないよ。私は、逆に、手暖かい人の方が、あったかいんだと思うし。』

ちょっと困った風な笑顔になってしまったかもしれないけど、取り敢えず泣き止め。

それに私は、神童といるとあったかくなれるよ。神童のおかげでね。



「……でも、なまえ先輩は手が冷たくても、言ってた通り暖かいですよ。」

『…嬉しいこと言ってくれるねっ。ありがとう、神童。』

クスリ、と微笑んで、あぁ、なんて暖かい気持ちになるんだろうな。







今だってそうだよ。私は君といるだけで幸せにもなれるんだよ。笑っていられるんだよ。だから、何時までも私の傍に居てよ、ね。


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