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僕らを守るもの。武器の手入れはいつもしている。
出歩くとき、突然戦闘に巻き込まれる場合もあるから、常に持ち歩いている。
だから、汚れもするし、傷も付く。
消耗品だから仕方の無いことだけど。
僕らの命を守る大切な武器だから、壊したり無くしたりすることは避けなければならない。
カエン)「あっ…」
部屋の壁に立て掛けられた僕とナティアの杖。
部屋に入って無造作に置いたままだったから、少し傾いている。
カエン)「よっ、と…」
このままでもバランスは取れている。
だけど、二本まとめて倒れても危ないし、安定した場所に杖を移すことにした。
ナティア)「…あっ、ごめんね」
物音がして振り向けば、カイたちの所へ行っていたナティアが戻って来たようだ。
カエン)「話し合いは終わった?」
ナティア)「うん、案外すんなりと」
僕から杖を受け取ったナティアは、そのままベッドに腰掛けた。
手元に残った自分の杖を見つめる。
この杖を使うようになってから、まだ半年も経ってないけど、近くで良く見ると赤水晶に細かな傷が付いていた。
カエン)「…武器って凄いよね」
ナティア)「ん?」
カエン)「僕らを守ってくれる」
武器か無かったら戦えない。
身を守る術がなくなる。
ナティア)「そうだね …だけど、扱う武器は、身の丈に合った物でなければならない」
カエン)「自分の実力に見合った物をってこと?」
ナティアはうなずいた。
ナティア)「どんなに性能が良い武器でも、それを使いこなせなければ、自滅することになる …その反面、性能の低い武器を使い続けても、自分の力量を発揮することができない」
カエン)「…難しいね」
ナティア)「だからね、今、オレたちが使っている武器は、相性が良いってことなんだよ? そうでなければ、ここまで進んでこれなかったんだから」
僕は、もう一度、杖を見つめた。
扱いにくいと感じたことのない杖。
まだ拙い僕の魔法を、この杖が補ってくれているから、みんなと共に戦える。
カエン)「そうだね」
ス タ ー ラ イ ズ 国 に
相 応 し い
星 の 輝 き を
く す ま せ ぬ よ う
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