かくれんぼ
『『『「じゃーんけーんぽんっ」』』』「あーあ、また負けちゃった…」
『なまえは本当に弱ェな〜』
『お前は人の事言えんのか、ルフィ?』
『エース、そんな事よりさっさと始めようぜ!』
『そうだな、サボ!』
今日はエース、サボ、ルフィと私の4人でかくれんぼをする事になった。
何をするにも最初のオニは私かルフィ。
じゃんけんが弱いから…。
「じゃあ10数えたら探しに行くからね!」
タタタタッ3人はあっという間に走って行った。
「い〜ち、に〜、さ〜ん……じゅっ!もーいーか〜い?」…
…
…
―――しーん
返事がないのはいつものこと。
…どうせ皆、私の声の届かない場所に隠れてるんだ。
そう思いながら探すこと一時間――
+++
私が見つけられたのはルフィだけだった。
ちょっと卑怯な手は使ったけれど…。
『ズリーよ、なまえ!メシで釣るなんて!!』
「釣られるルフィが悪い」
『うっ…エースみたいな事言うなよ〜』
「そうだルフィ!エースとサボが見つからないんだけど、心当たりない?」
『ん〜…わかんねェ。とりあえず探そうぜ!』
そう言うとルフィは私の手を握った。
ちょっとびっくりしたけど、すごく嬉しかった。
『「エ〜ス〜?サ〜ボ〜?」』ルフィと2人を探すこと一時間――
+++
「ルフィ〜、サボもエースもいないよ〜…うわぁ〜ん」
『な、泣くなよ〜。おれまで泣きたくなってきた…ひっく』
『お前ら、何泣いてんだ?』
『「サボ〜!!」』『なまえがあんまり来ないから、おれが探しに来ちまったよ』
「サボ〜、また会えて゛良か゛った゛〜。でもエース゛がいないの〜…どう゛し゛よ゛う゛〜」
『泣くなってなまえ、ただのかくれんぼだろ?…エースの奴どっかで寝てんじゃねェか?』
そう言ってサボは私の涙を拭ってくれた。
『…あっ!サボ、なまえ、あれエースじゃねェか?』
そう言ったルフィの指す方を見ると、すぐ近くの、物凄く高い木の上で寝てるエースがいた。
『『「エ〜ス〜!!!」』』『…はっ、何だ?!なまえ、どうして泣いて…』
『かくれんぼの途中でエースが寝ちまうから、なまえはずっと探してたんだぞ〜!!』
『おれも探したんだぞ〜、エ〜ス〜…ひっく』
「エ゛ース゛の゛ばか゛〜…うわぁ〜ん」
『悪ィなまえ!謝るから泣き止め…なっ?』
そう言って木から飛び降りてきたエースは、私が泣き止むまで頭をポンポン撫でてくれた。
「皆が見つかってよかった〜!!」『良かったな、なまえ!しししっ!!』
「…ルフィ、ずっと手つないでてくれてありがと!心強かったよ!!」
『…じゃあ、ルフィはもういいよな?寂しい想いさせた詫びに、おれとサボがなまえと手つないで帰ろうぜ!』
『あぁ!悪いな、ルフィ』
『なまえばっかりズルいぞ!!おれも寂しかったんだぞ〜!!』
『ルフィもおれ達と手つなぎたいのか?』
『そうじゃねェけどよ、サボ。』
『黙れ、泣き虫!』
『もう泣き止んだじゃねェか、エース!』
結局いつものようにギャーギャー騒ぎながら笑いあって、夕暮れの道を4人で帰った。
いつもと違ったのは、エースとサボが私の手をしっかり握ってくれていたこと――
そばにいる。大丈夫だ。もう寂しくないよ。3人の手の温もりからは、そんな気持ちが伝わってきた。
+++++
みんな何処かにいます。
きっといつかまた会えます。
そばにいてくれる人を大切にして下さい。
泣いている人がいたら、手を握ってあげて下さい。
今は辛くても、必ずまた笑いあえる日が来ると信じています。
2011.03.28
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