姉ポジの沖田くん
オリキャラいます。
気をつけて















俺には大好きな弟がいる。
弟に曲がった大人を見せないよう精進してきたつもりだ


それなのに、

「僕、あね、兄上より強い人を見つけました!」

「う、ん???総、誰だ?ソイツは」


「僕の先輩です!」


なんだとぉぉお
誰だ先輩って!


かっこいい兄貴(姉)ポジションを奪いやがってぇぇぇぇぇ
「それで、今度その先輩をうちの道場に連れてきてもいいですか?教えてもらいたいので。」
きらきらと輝く子供の眼差しで見られちゃ断れるわけがない、荒ぶる心の中を悟られないよう平然と勿論だと返事をする。




絶対ェ許さねー。

八つ裂きにして、俺が総ちゃんの中で1番かっこいい兄貴(姉)でいなきゃなんねーんでィ!俺が護らなきゃなんねぇんでさァ!!










「「え」」




「あね、兄上、この間言ってた先輩です。」


総ちゃん、ごめん。
思いっ切り知り合いでさァ、
それも近藤さんとこの後輩、歳は上だけど俺よりも後に来た十年近い付き合いだった人だ

「お前、何してんだよ」

「こっちのセリフでさァ!俺よりも強ェヤツって聞いてたのにアンタが相手じゃ話になんねー。」

「んだと、コラ。」


「あ、兄上知り合いなんですか?」
珍しく慌てふためく総ちゃんは可愛いが俺はコイツが大嫌いなのだ。
入ってきた初日で俺と同格まで上がってきやがった、勿論俺の方が強かったが気に食わねェ
姉上だって、近藤さんだってコイツばかり



「沖田って名字聞いてまさかとは思ったが、まさかお前が本当にコイツの姉貴だったとはな。」


「俺より強いヤツだと期待してたんですがねィ、姉貴って呼ぶんじゃねェ。」

いつになく険悪なムードに総は珍しく固まる俺の表情にやってしまったと肩を落としたその時「お前何で来ねェんだよ」と土方さんが最も触れてはいけない事をいい
つい、俺の堪忍袋の緒というやつが切れた


本当は俺だって行きてェよ
また前みてーに近藤さんと土方さんと肩を並べて歩きてェ、稽古だってしてえ。


だけど、死んだ姉上の代わりに総を育てなきゃなんねー。

高校だって辞めて、道場だって辞めて家の道場も閉めて
夜、仕事して嫌な事も我慢して
家事も全部やって
大好きだった姉上とお揃いの色素の薄い長い髪はバッサリ切って
最高の兄貴を演じなきゃなんねぇんでさァ

俺はこいつの保護者だから



本当は行きたいの、我慢してんのに。



「何も、…ねェくせに、」

「ああ?」

「何も知らねーくせに分かったような事言うんじゃねェ!!!!!」


あーやっちまった
初めて総の前で怒鳴っちまった。
姉上なら絶対ェやんねーのに
ごめんなさい。
姉上

弟の前で怒鳴るなんて最低でさァ。



バンと閉めた扉の向こうはきっと俺を怖がる総がいて
きっと俺は保護者失格なのだろう。




総ちゃんはまだ9つなのに、

ごめん、情ねー姉貴で



『総ちゃん、総ちゃん。』


『姉上!!!!』



白く浮かぶ姉上はやっぱり綺麗で優しそうで、きらきらしてて美しかった

『総ちゃんはよく頑張ってるわ』


『ほんとですか?!』

『十四郎さんが来たぐらいで揺らぐ簡単なお姉ちゃんをね。』


ニコリと笑う姉上は何より怖くて後ずさりしたら姉上はどうして逃げるの?と不思議そうにどんどん近づいてくる

違う、こんなの姉上じゃねェ。

こんな黒い人、姉上なんかじゃ


『怖い、よ。姉上!!目を覚ましてよ、!!!!!』



『何も知らねーくせに分かったような事言うんじゃねェ!!!!!』



姉上の顔がどんどん変わっていった
怒鳴っちまった俺と怯える総へと
『守ってあげて。』と姉上の声が響く

『守ってないじゃない』

ニコニコと俺の首を絞める姉上は俺を何度も責めた
何してるのよ、お姉ちゃんでしょう?もっとしっかりしてよ
先輩との仲壊して何が護るよ

『笑わせないで』




ぐしゃり折れた俺の首
嗚咽が止まらない
気持ち悪い

姉上なんで
なんで


こわい





やだよ







もう


誰か、





誰か助けて。








「ご、…総悟」


「ひ、じかたさ」

気付くと土方さんの腕ん中で、混乱より先に「総は?!」


「弟は寝てる、お前を守れるぐれェ強くしろって聞かねーんだよ」




総の想いを知って涙がとめどなく溢れた

ギュ、と回された抱きしめられた腕の力が強くなって
思わずこの人に縋る様に声を殺して泣いた

優しく頭をぽんぽんするから、止まらなくなってこの人に這わせた腕を強くして
いくら悲しかった勢いとはいえ、抱きついてしまった。






冷静になってから、土方さんが「悪かった」と珍しく謝ってきたから笑える


5年も立ってれば凄いもので俺と土方さんは10センチ位差が出来てた

まあ、昔の方が差はあったが何か違うんだ

俺の方がやっぱ男じゃねーんだって、わかる

俺じゃもう適わねぇかもしんねー

あ、勿論力の差じゃ。ね?




やっぱまだまだん兄貴のポジションは譲れねーや。
















ポジション。
(ちょっと格好よくなったなんて)(絶対言ってやんない。)







以下オマケ
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「しかし、よくここまでアイツ育ててこれたな、あんなに小さかったお前が」


「あの頃とは違うんでさァ色んなおっさんとも話せるよーになりましたからねィ」


「お前今未成年だよな?」

「?へい、そうですけど」

「仕事は、まさか」

「え?あぁ、所謂水商売ってやつですけど」

「はい、アウト。」

「え。」



実は警察官だったりして。

-3-

ポジション。





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