「あっ、んぅ、」
空っぽの心はどうしたら満たされると思う?
たくさんのヒトとあいしあえばいいんだよ。
そう教わったからこう生きてきた、間違えはないはずだ
それなのに皆口を揃えて言った。
『あれが噂の』
なんの噂なの、幼げな瞳が投げつける言葉は暴力でムカついてちらりと見ればこわいこわいと人をバケモノのように扱いやがる
うざったらしくて仕方ねェ。
わざわざ見てくる目がうざったらしくて不快で、大人達の汚いセカイをわざと歩いた
普通に憧れることなんかありはしなかった、腐った愛でも俺の愛に変わりは無いのだから
わざとらしく笑う女もわざとらしく誘う男もうんざりだ、きっとそう見えるのは俺が汚れているから
だけどその汚いセカイが俺の精一杯の人生で何もかも汚れた目だからわかるものだってきっとあるはず
なんて戯れ言?要らない事?信じちゃダメなの?
ずっと探してた人だって信用なく裏切るこの世界は案外単純で、壊れた時計は2度と直らない
一生軋むだけ
もし戻れたなら、
淡い期待なんか持つだけ無駄
残酷な現実に変わり突きつけジリジリ
無意味に笑う事も辞めて
穢い女共蹴散らして、男に群がる蝿に成り下がる
それでもこのセカイでは生きていける
「どうした、」
「いえ」
なんでだろ、この人に侵されてる気がする
ドンドンとめどなく溢れる水に溺れるように、堰き止めが無くなり開放されたかのように溢れてくる思考、愛全てが流れ出してくる
その優しい指はとても汚くて撫でられる度瞳が揺れる
他の腐ったアイシテルなんかよりずっと生きてる言葉
「アンタもそうなの」
終わりには優しいフリばかり
嘘つき
ホントは誰か食い散らかしてズタズタにしてやりたいとしか思ってないくせしてよくもそんなフリができたもんだ
くっそ、汚ェ
脳が揺れる
考えることすら出来なくて声にならない音のようなものが口の端から漏れてく
ガクガク揺れて、顎が外れそうなほど開いた口から涎が零れ
黒い液体を染め白に返す。
「もう止めにしよう」
その一言が俺をまた汚してく
飛び散った赤に
最高潮の快感を覚えまた俺はそれに溺れてく。
-2-
腐った手のひら