※銀の英雄救済話。
















「俺は、何だ?」




































「藪から棒に、どうしたの?」
女だ。亜麻色の髪に翡翠の瞳。かつて親友と呼んでいた存在に、その色は酷似していた。長いウェーブの髪を三つ編みのように編んで、ピンクのリボンを巻いている。猫のような大きな瞳だ。ソルジャーの持つ瞳の色に近いものはあるが、けれど一般の人間にもこんな色の瞳を持つ者が居るのだなと、内心感心する。女は、ふわりと笑っている。そして先の台詞を俺に吐いた。
「貴方は、貴方。でしょう?」
当然だとでも言うように、女はやはり浮かべた笑みを崩さぬまま答えた。俺はその答えに納得いくようないかないような、鼻を鳴らして腕を組む。
「答えになっていない。まぁ、だがお前ごときに俺が理解(わか)るとも思えないがな」
「それもそう、だね。だって私、貴方に殺された身だもの」
「俺がお前を?」
訊けば、そうよ、と女は頷く。物騒な話だと思ったが、でも俺はそういった仕事をしていたのかと反面納得いく所もあった。何故かは解らない、だが自分が堅気の人間かと問われれば、己の中の本能は違うと叫んでいたような気がしてならなかった。女は一歩、俺へと近づく。
「でも、大事なのは貴方が私を殺したとか、そんなことじゃないの」
女は、何をそんなに理解してるというのだろう。何となく、俺には解らないことだらけで今日初めて出会った女は全てを掌握していることが少し腹立たしい。
「貴方は貴方。名前は、セフィロス。そして、世界の英雄だった」
「…俺が、英雄?」
そんな風に呼ばれる存在が、この世に居るんだということ自体驚愕だ。内心嘲笑ってやると、途端に当たりは白い光で包まれる。温かい、素直にそう思った。そして、身体の感覚がだんだん薄くなっていく。俺は消えるのか。そう思った。
『ねぇ、貴方、生きたい?』
先の女が、俺の頭の中に直接問い掛けてくる。
「…否定したら俺はどうなるんだ?」
疑問を投げかければ、女は困ったように笑い、静かに息を零した。
『それはちょっと困る、かな。だって否定されたら、貴方今よりもっと困ったちゃんになっちゃうかもしれないし』
何だそれは、と言いかけて辞めた。なら最初から俺には選択肢などないということか。苛立ちが女に伝わったのだろうか。やはり苦笑の息を交えながらも女は言葉を続ける。
『あともう一度だけ、頑張ってみよう?みんなはね、貴方のこと嫌いだって、言うけど…でもね、』


私はね、それでも、貴方のこと助けたいって、思う。


「…そんなこと」
頼んだ覚えはない。そう言いたかったが、意識も感覚も何一つはっきりしない中、俺の言葉が女に届いたかは解らなかった。でも女の手が俺の頭をそっと撫でてきて、その感触が不覚にもどこか懐かしいと感じてしまうことが、少しだけ悔しかった。



* * * *



昔々、神様は人間を創るのに試行錯誤を重ねながら創った。
最初は単純だった。ただ肉があり、手と脚があった。そこに意識だとか心だとかはなかった。ただ歩行し、ただ何かを掴む。そんな単純且つ単調な生き物だった。そのうちに神は気まぐれに目をつけた。すると生き物は見ることを覚えた。次に耳をつけた。すると聞くことを覚えた。次に鼻をつけた。すると匂いを嗅ぐことを覚えた。次に口をつけた。すると話すことを覚えた。見て聞いて嗅いで話す、生き物は少しだけ進化した。神の気まぐれはそれだけで留まらず、今度は生き物に心をつけた。手と脚も、それぞれいびつに三本とか四本とか生えていたものだから、あまりに醜い見た目からすっきりした見た目へと変えた。二本脚で歩き、二本の手で掴んだり繋がったりすることができるようになった。
温もりを共有する、それがとても心地好いものだと進化した生き物は感じるようになった。一つしかなかった目は二つに増えて視野と視界を広げ、耳はたくさんの音や声を聞き分け、一人喧嘩をしないように口は一つに。やがてそれは人間と呼ばれる生き物へと変わった。
そんな昔々の、創世紀に渡る昔の物語を、小さい頃読んだような。霞み掛かったあやふやな記憶を思い出して、俺はぼろぼろになった図書館の前で脚を止めていた。ガラスはひび割れ、足の踏み場がないほど本は棚から漏れて散乱していた。人に尋ねれば、世界は再度厄災に見舞われたのだという。俺は自分の名前しか判らない。自分の名前が本当にその名前なのかすらも判らないほど、記憶が抜け落ちていた。
この街はエッジと呼ばれている、この辺りでは割かし大きな街らしい。
その厄災とやらに見舞われてから既に2週間の時が過ぎたというが、今ひとつその厄災が何なのかさっぱり判らなかった。とりあえずその図書館らしき建物を後にし、俺は踵を返して人通りの多い方へと足を進める。通り過ぎる人が、俺の方を時折見ては顔色を変え真っ青にするのは何故なのだろう。だがそこで考えても判るものでもなし(如何せん記憶がないゆえに)、腹が減っている訳でもないので適当にぶらつき、街を出た。街を出れば、目の前は荒野が広がっていた。風が強く、自身の長い髪が踊るように揺れる。いつ自分が生まれ、故郷は何処で、何をしていたのか、何も記憶がない。ただ名前がセフィロスというだけで、手がかりは持っていない。だが別に知ろうとも思わなかった。ただ自分が自分であることには変わりない。その想いだけに駆られて、俺は今この地に足をつけている。両手を着ている黒いコートのポケットに突っ込み、ただ目的もなく丘を目指して歩いた。ざり、と砂は柔らかく、歩きにくかった。荒野だから当たり前なのだが、酷く空気が乾いていて、かすかに目に砂が入り染みる上に痛い。
生き物の気配は、まるでなかった。辺りには瓦礫(らしき物)が積まれていて、何とか車が2台ほど通れるような広さだった。
ふと上を見れば、晴れ渡っている空が視界いっぱいに広がっていた。嗚呼、眩しい。空はこんなに広くて、蒼かったのか。どこかで他人事のように納得しながら、また歩き出す。瓦礫の山をひたすら歩いていると、いつのまにかずいぶん高い丘の上にたどり着いていたらしい。景色が一望できるそこは、まるで世界のすべてを掌握できるかと思わせるような場所で、向こうの方に何か遺跡、のようなものだろうか。かつて魔晄炉と呼ばれていた大きな煙突のようなものが、なおボロボロの姿を保ちつつも砂埃に霞みながら姿を揺らめかせていた。その更に奥にそびえる大きな建物。神羅と書かれたビル。そのボロボロのロゴマークを見て、ツキリと頭が痛むのを感じた。
「……?」
ツキ、ツキン、と微かに痛むこめかみを押さえながら、コートの裾を翻して来た道を戻る。何処に行く宛もない。だが、何となく此処には居たくないと、そう思った。
再度瓦礫の山を下り、ポツリポツリと雨が降ってくる。そのうち強くなり、灰色になった空は今にも大地を押し潰しそうだ。こんなに瓦礫が積もっているのにどこに居たのか、そこらで作業をしていた人間たちがわらわらと出てきては帰り支度を始めた。
俺は急ぐわけでもなく、ただぼんやりと、エッジの街並みを目指して歩いて行った。




エッジの街並みに戻り、行く宛のない身と言っても雨に濡れるのは嫌だったので雨宿りできる場所を探した。すると、何かに呼ばれるように、迷うことなく、既に廃屋に近い教会に辿り着いた。幸いここには屋根がある。壊れかけた長椅子に座り適当に姿勢を崩すと、雨の雫の音が、よく聞こえた。目を閉じる。その音を感じながら、ひどく静かだ、そう思った。
「あ、」
声がした。自分以外の、女の声。この声には聞き覚えがある。
「うれしい、来てくれたんだ」
「…また会ったな」
「うん、また、会えた…ね」
目を開ければ、どこで会ったのか記憶にはないが、確かに唯一知っている女が目の前に居た。嬉しそうに笑う態は、実年齢よりも幼く見える。向かい側に座る女はずい、と俺の方に身を屈め、俺の顔を不躾に覗き込んでくる。
「…何だ?」
「ううん。何だか、迷っているように見えた、から」
「迷う?」
俺がか?そう呟けば、女は笑った。しかも愉しそうに。その笑顔を見て、人の悪い女だ、と思った。
「ねえ、街並み、どうだった?」
「どう…とは…?」
「そのまんまの、問いかけ」
「……」
どうも何も、ボロボロだった。何もかもが、壊れていた。街を出れば、瓦礫の山で。その瓦礫の山を漁る人が陰に隠れてたくさん居て。けれども、街はこんなにもボロボロで、生活が成り立っているのかあやふやな今を、人間たちは、必死に――――
「みな、活きて…いたな」
「…うん」
「中には、死んだ魚のような目をしていた輩も居たが、だが、みな、目は確かに活きていた…」
「うん…そうだね」
女は静かに頷いた。その問いが何を意味するのか俺には解らないが、女は何かを思ったのか椅子から立ち上がる。
「さて、突然ですが、質問」
「?」
思うが、この女は今一つつかみどころがない。
「ねえ、貴方は、生きたい?」
「……」
また、その問いかけか。
「余計なお節介って、解ってる。でも、でもね。私は、貴方自身の為に、生きてほしいって、そう思ってる」
「…それはまるで、以前の俺は俺自身の為に生きていなかったような口ぶりだな」
「うん、半分、近いかも…」
だって、前の貴方は半分正気じゃなかったもの。
「なに…?」
「全部は貴方に話すことはできない。けど、貴方には生きて、この世界を感じてほしいの。もっともっと、生命の息吹を、感じてほしいの…」
切なげに女は訴える。生命の息吹を、感じる…?どういう意味なのか、さっぱり解らない。
女は、俺にそっと近寄り、俺の左胸に右手を宛がう。
「貴方の此処に心臓があって、目があって、耳があって、鼻があって、口がある。これも、神様の気まぐれな悪戯、なのかもしれない。でも、生きていれば、きっと、貴方は救われるから…」
「俺が、救われる…?」
「うん、そう」
ぽう、と女の身体が淡く光りだす。女と同じ、翡翠色の光。あ、時間切れかな、と、女は呑気にそう答えた。
「ねえ、もう一度だけ、頑張ってみて」

きっと、貴方なら、出来るから…

「……」
女はそう言い残し、消えた。
――――無責任な。思わず心の内で悪態を吐く。俺は何も女に対して要求なぞしていないのに、何故たかだか一度しか会ったことのない女にこんなにも要求されなければいけないのか。あの女は、どうしても俺に生きていてほしいらしい。
今の俺は抜け殻のようなもので、過去の記憶というのが全くないのに。生きがいを見つけて生きろ、等と、
「ずいぶん、勝手な女だ…」
何故か、浮かんだのは苦笑だった。あれだけのことを言われながらもあまり腹が立たないのは、今の自分があまり中身が詰まっていないからだろうか。もともと人に対して無関心だからか。よく解らないが、とりあえずまた目を閉じる。ふと誰かに、頭をそっと、撫でられた気がした。


* * * *


過去と未来、どちらかを見れるようになるとすれば、どちらを見たい?
よくある仮定においての質問事項。普通人間というものは、未来を見たがる。これから生きていく上で自分という人間がどうなっているのか、興味があるからだろう。
そんな与太話を、昔、遠い昔に、部下に振られたことがあった。嗚呼、少しだけあの女の似ているかもしれないな。黒い髪を針鼠のように逆立てて、快活な青年だったと思う。ぼんやりとしか思い出せないが、とにかくそんな話をその男から振られたのだ。
当時は、興味ない、と一言で切り捨てた。本当に、興味がなかった。未来の自分も、過去の自分も。
だがその男は、意外にもこう答えた。

『俺はさ、強い人間にももちろんなりたいけど、でも優しい人間にもなりたいんだ。アンタには甘い、って言われるかもしれないけどさ、アンジールみたいに、強くて優しい人間になりたい。そんでさ、想い出が何かって、解る奴に、俺はなりたい』

…嗚呼、そうだな。今の俺なら、その言葉の意味が、少しだけ解る気がする。想い出とは何か。強さとは何か。…優しさとは、何か。
記憶が抜け落ちた俺には、どれもこれもが必要に感じた。過去に縋ることすらもできない俺は、本当に何の為に生まれ落ちたのか、その意味を感じることができないなどと。
…こんなにも歯痒いことだと、思わなかった。


* * * *


その日から俺は、少しだけ、生きてみようと思った。思い出せないものは無理に思い出したって仕様がないのだし、記憶が抜け落ちていても最低限のことでは困らない。ただ一つだけ、最近になってわかったことがある。俺はどうやら、この街の住人にはあまり好かれていないらしい。記憶が抜け落ちる前に、何かしたのだろうか。それでもしぶしぶとだが食料を分けてくれたりはするので、良い人たちには違いないのだろうが、記憶が抜け落ちる前、自身で何をしてしまったのか思い出せないのは、何だか悔しかった。
ひと月も過ぎた頃、この街の住人に好かれていないことがよく解ったので、隣の街まで移動することにした。その間は、この教会をずっと寝床にしていた。時々子供たちが遊び場として訪れていたようだったが、俺が住み着いたのが住人たちの噂になったのか、子供たちすらも寄り付かなくなった。子供というのは、隠れ家的なものをよく特別にしている。それを短い期間とはいえ奪うような形になってしまって、申し訳なかった。
支度を整え、教会の壊れた屋根から見える空を見た。今日も、良い天気のようだ。
消えてしまって以来声も姿も見ない女の陰が脳裏をよぎる。結局、あの女は何だったのだろう。姿が見ることができない今となっては、名前くらい聞いておけばよかったと、後悔した。




ひと月経っても、瓦礫の山は相変わらずだった。それでも少し減ったような気がする。異臭は軽減されているし、山が少し小さくなったお蔭で向こう側の景色が見えやすくなった。
この街を出る前に、もう一度見たい景色があった。この辺りを一望できる、あの丘の上。正直、苦手としている部分も何故かあるが、だがそれでももう一度見たいと強く思った。相変わらず砂塵が酷い。目に入る砂が時々痛い。歩くこと数十文、陽が昇っている所為で少し暑い。それでも息を切らすことのない自分の体力に感謝しながら、ようやく丘の上に辿り着く。するとそこには、以前にはないものがあった。
ぼろぼろになった、錆びた剣だった。それも、とてつもなく規格外な。
また、ツキリと頭が痛む。ここの所なかったのに、やはりこの場所は俺にとって鬼門の場らしい。剣が埋め立てられた傍まで寄って、再度景色を眺める。
空が、蒼い。風が、肌を撫でていく。どこまでも広がる荒野に、ボロボロになった『ミッドガル』。
覚えていない筈の単語が、今ふと出てきた。同時に、黒髪を有した男も。
嗚呼、そうか。解らないけれども、どこかで納得した。
「すまなかった…」
剣の柄を、そっと撫でる。何故か自然と口がそう紡ぎ、行動していた。
この景色を見ていると、己という存在は何てちっぽけなんだろうと思える。人間は、きっと誰だってちっぽけなんだ。それでも、この世界という鳥かごの中で必死に羽ばたこうとしている。生きて、いるのだ。同じという人間はこの世には居なくて、俺という人間も一人しか居なくて、きっとあの女も、この世に一人しか居なくて。
そう思ったら、何だか少しだけ心が軽くなった気がした。女が以前言っていた迷いも、少しだけ晴れた気がする。
もうきっと、この景色を目にすることもないだろう。此処にはもう、戻るべきではない。本能が、そう悟った。
振り返ると、そこには大型の黒いバイクに跨り、陽に透けるような金糸を携えた黒衣を身に纏う男が驚愕に満ちた表情で俺を見つめていた。
「…セフィ…ロス?」
どうやら、記憶が抜け落ちる前の俺を知っている人物らしい。だが、興味はなかった。
「俺を、知っているのか?」
そう問えば、金糸の男は息を呑みこんだ。
「記憶が、ないのか…?」
「ああ、そうだ」
そうか、と金糸の男はそっと頷いた。複雑な表情で顔を俯かせた後、男は再度俺に問いかける。
「これから、何処かへ行くのか?」
「ああ、そうだ。俺はどうやら、この街の住人に忌み嫌われているらしいからな…」
「アンタ、よくもそんなことが言えるなッ…アンタは…!」
「すまなかった」
「…え?」
軽々しい言葉かもしれない。けれども、この男の目は、街の住人とは違った。
何かもっと、感情が籠った目をこちらに向けているのが、いやでも伝わってきた。
この街の住人にも、この男にも、過去の俺が酷いことをしてしまったのならば。
記憶がない今、俺にはこんな方法でしか、思いつかなかった。
「俺は、過去の記憶がまったくない。だから、過去の俺がお前に対しとてつもなく酷いことをしてしまったのならば、本当に、すまなかった。これで赦されるとは思ってはいないが…だが、今の俺にはこれしかできない。すまない、本当に…」
「……ッ、」
男は、何かを言いかけて口をつぐむ。しばらくして、男は俺の目をまっすぐ見つめてくる。よく見れば、男の目は、俺と同じだった。だが、色合いが少しだけ蒼が濃い。まるで、
「お前のその目…」
「え…?」
「空の蒼と、一緒だな。…綺麗だ」
「……ッ、」
男の白い頬が、僅かに赤く染まる。意外と反応が初々しくて、俺は思わずくすりと笑んだ。
「それではな、もうきっと、会うことはないだろうが」
「…ッ、待て!」
男の横を足早に通り過ぎると、男の大声が後ろからかかってくる。
「待て、待ってくれ、セフィロスさんッ!!!」
何だろう。この呼び方が、ひどく、懐かしい。


忘れたい、けれども、忘れない。
この感情は、何と云う?


「また、またいつか、この街に来てくれ!!」


それはまるで懇願だった。思い出せないけれども、胸の奥にある淡い感情が、せりあがってくる。


「ああ、その内、な」


振り返り、男に向かってそう答えれば、男は泣きそうな顔で、ほっとしていた。
ただ、一つだけ疑問があったので、男に訊いてみることにした。






「ところで、俺とお前は、どこかで会ったことがあるのか?」






そう問いかければ、男は首をふるふると弱々しく横に振り、
「いや……」
と、小さく答えた。俺もそれにそうか、答えて、今度こそ、前を向いて歩き出した。








ねえ、もう一度だけ、頑張ってみて。








「ふん、余計なお世話だ」




















空が蒼い。記憶の片隅に浮かぶ黒髪の男と、先ほど会った金糸の男の微かな笑顔が重なって映る。
そうして、あの女の笑顔が浮かんだ。世界は広くて、確かに息をしていて、それを感じる自分は二足歩行をし心臓を左胸に一つ抱えた人間という生き物で。
この空が広がる限り何処までも行けそうだと、俺は風に靡く髪を押さえながら歩いた。

















オーダーメイド
(神様は、気まぐれなんかじゃなくて、ちゃんと貴方に生きてほしかったんだよ



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