※現代











夜も更けた時間に、恋人達は愛の言葉を囁き合い、肌と肌を重ね、想いを互いに確かめ合う。
俺もそれを相手に求めまくってるから、その中の一人。特に夜は、何故か無性に人肌が恋しくなる。
だから、理由なんか関係なくくっつきたいって思ってしまう。今が、まさにそんな感じだったりする。
「…おい」
「何スか?」
「少し離れてくれ」
レポートがさっきから全く進まない。
不機嫌そうにそう呟かれ、俺はそれに対してふーん、と素っ気ない返事を返してやる。
するとスコールの腰に巻きついていた腕をべりっと剥がされた。再度抱きつこうとするとべしん!とスコールの右手が俺の額を叩く。
少しヒリヒリして痛い。集中できないから離れてろと言いたいらしいことを空気で感じ取り、スコールは無機質なパソコンの画面に視線を戻した。
あーあ、夜も遅いのに恋人は勉強熱心過ぎて困るっスねー、なんて心の中で悪態をついて、仕様がないから先にベッドの中へと入る。
どうせ俺は不真面目代表ですよー、レポートなんかよりスコールとの時間をもっともっと大事にしたいデスヨー。
不貞臭れながらスコールが使ってる枕をぎゅうっと抱き締めると、後ろから突然温もりが俺の身体を包みこむ。
あれ、と思うのもつかの間、そんなことをする相手は一人しかいなくて。
「…あんなことされたら、我慢してたのに意味なくなるだろ」
我慢してたんだ。内心くすりと笑いながら、照れながらも嬉しくて、俺もスコールの方を向いてくっついてぎゅー、と抱き締める。
ああ幸せ。まさに恋人と過ごす甘い一時。
言葉が要らなくなるまで、あと10秒。








寄り添う


2013/11/02


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