※ちょっと卑猥


俺もスコールも、口数は少なく多くは語らない。故に無愛想だとか無口だとかそんなことを冗談混じりによく言われる。まぁあながち間違ってはいないので俺は言われてもそのままスルーしてしまうことが多いのだが、スコールは俺と少し違う。
彼の場合、入りたくても入り込めず、そのまますごすごと引っ込んでしまう所がある。やはりそこは、年若い故に、なのだろう、奥底では皆と一緒に騒ぎたい気持ちが少なからずあるのだろう。そこまで俺自身老けているつもりはないが、ティーダやジタン等を見ていると10代特有のフレッシュさみたいなものがある(たまにその中に二十歳であるバッツも居るが)。その中に入ろうとして最終的には巻き込まれる形でその輪の中に居るスコールを見ていると微笑ましいとすら思う。だが最近スコールとぽつりぽつりと語らう時に気づいたことがある。彼はまだ10代という俺に比べればもちろん若いし、思春期真っ只中の時期だ。
表情は、一見クールを装っていても実に判りやすい。今だって、
「…考え事とは、余裕だな」
人の耳を散々ねぶって噛んで舌を出し入れして弄んだ後、からかうような低い声音が響いた。確かにまだ考え事をする余裕があるなと頷きつつ、スコールのシャツの隙間に手を差し入れて少しひやりとした、けれども確かな熱に俺は薄く笑みを浮かべる。
「スコール…もっとだ…」
誘うように目を見れば、スコールの目は潤みつつもこちらを熱っぽく見つめていた。情欲に浮かされた青灰の瞳は、いつものクールさをあっさりと打ち壊して年相応の彼の姿をさらけ出している。そこはやはり年齢と経験が比例しているのだろうか、そんな年下の彼をたぶらかす俺はイケナイ先輩なのかもしれない。
す、とスコールが目を細めながら、俺の首筋に顔を埋める。柔らかい鳶色の髪の毛が当たってくすぐったいが、仄かに香るスコールの匂いに俺もまた愛しさが募る。肉付きは薄いけれども確かにある筋肉の筋をなぞりながら、そして俺もスコールの無骨な手によって暴かれながら、違いに縺れて溶けていく。
この青と灰が混じった不思議な色合いの瞳が、たまらなく好きだ。ガラス玉みたいに透明で、スコールの心の色のようにも思える瞳。この瞳がすべてを語る。
俺への愛も、悲しみも、嫉妬すらも、何もかも。
彼の瞳をもっと見ていたくて、俺もまた彼へと口づけを送る。
その時嬉しそうに笑む、幸せに満ちた瞳の色を、俺は元の世界に戻ってもずっと覚えていよう。
強くそう思いながら、俺はもう一度彼へと口づけた。











2010/10/28


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