▼ふたりぼっちの空間で(美遥)

鳥だからかな。美遥は雷が苦手だ。梅雨時のじめじめを吸い込んだ布団をすっぽり被って動こうとしない。呼びかけても小さな返事が来るだけで、いつものように飛びついてくることは無かった。仕方ないなあ。
「美遥、」「……な、に?あ、」
布団の隙間に潜り込んで、じめじめも怖いのも、ふたりじめ。



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