▼かっこわるいのかな(九十九)

瞬いては、空から轟音が落ちてくる。ほら、また。屋根を穿つ雨も、やまないまま。
「やまない、ね」「うん……」
浮かない顔で相槌を打った横顔が、カーテンの隙間から漏れ出た閃光に照らされた。直後に響いた、空を破く音。跳ねる肩。はっとこちらを見た彼は恥ずかしそうに、きゅっと目を閉じた。



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