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「あー絶対ぇバレてる。どーすっかなぁ。」


翌日。俺が起きたらもう二人の姿はどこにも無かった。律儀に雪乃の作った朝ご飯が置いてあったけど食べる気にもなれず、そのまま着替えてお店に来た。今日も臣さんはいない。臣さんに相談するわけにもいかないからいいんだけど。レジのカウンター内にある丸椅子に座ってだらんと腕を投げ出した。


「どうかしたんですか?」


咲良が俺をキョトンと見ている。


「…んーちょっとプライベートで色々。咲良ちゃんは彼氏いんの?」

「いません。」

「可愛いのにね。」


俺の言葉に一々照れた顔を見せる咲良の反応が正直面白い。この子、俺が色々言ったら好きになるんじゃねぇの?ってぐらい素直に受け止めていて、悪い気はしないけど、俺の脳内は雪乃のことしかないわけで。


「はぁ。帰りたくねぇな。」

「家に、ですか?」

「え?うん。俺先輩の家に居候してんだけど、ちょっとゴタゴタしてて。けど行くとこねぇし。」

「うち、空いてますよ?来ますか?」

「…は?」

「あ、いや、その。マンションなんですけど、前の時のお客さんが買ってくれて…。」

「はっ!?マンションをっ!?」


思わずガバリと起き上がって咲良を見る。この子、純情そうな顔してすげーことしてるわけ?全っぜん想像つかないんだけど。


「内緒、ですけど。結構広くて部屋余ってるんで、よければ使っていただいて構いませんよ?」

「けど、俺みたいな得体の知れない奴が行ってもいいの?」

「あは。岩田さんなら構いません。」


やっぱりこの子、俺のこと好きなのかなぁ?なんて、ボヤッと思ったんだ。

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