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「雪、降らないかなぁ、雪。」
中庭の窓の外、白雪が降ってこないか見つめていた。クリスマスイヴに雪なんてロマンチックだよね?
「耳、痛くない?」
隣でまこっちゃんが小さく聞いた。ほんの数分前、帰ってしまった朝海。なっちゃんと過ごすつもりだったんだろうけど、なっちゃんはなっちゃんは何かをかき消すかのように?あんまり飲めない酒を飲んでて、等々眠りについてしまった。こうなると絶対になっちゃんが起きないって私達は知り尽くしている。
だから朝海は帰ったんだろうけど。そしてそんな朝海を颯爽と追いかけた健ちゃんは、離から出る寸前、私に向かって「メリークリスマス!」ってウインクをして出て行った。
「…うん、痛くない。それよかよかったのかな?なっちゃんと朝海。きっと朝海はなっちゃんと二人きりで過ごしたかったはずだよね?」
「まぁ、そうかもな。夏喜の奴、なんであんなに酒飲んだんだろ?絶対潰れるって分かってただろうに、ね。」
そう言いながらも、まこっちゃんの手が私の肩に触れてコツっておデコもくっついた。
「…トイレ。」
スッとまこっちゃんから離れる私を横目でジッと見つめるまこっちゃんは、私が背を向けた瞬間、小さく溜息を漏らした。
分かってる、まこっちゃんが本気で私の事想ってくれてるって。だけど、この心がどうしても動いてくれない。てきればまこっちゃんとはこれからも変わらぬ友達でいたいって、思ってるんだもん。
だから転がってるなっちゃんと勇征ちゃんを通り越しておトイレに行く私も、朝海と一緒に帰ればよかった、なんて思ってしまうなんて。
その理由はもう1つあって…
日付が変わった翌朝、寒くて目が覚めた。
雑魚寝のまこっちゃんとなっちゃん。確か私、まこっちゃんに抱きしめられて寝てたけど、トイレに起きて勇征ちゃんの方に行ったんだっけ?
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