年下王子様 | ナノ


▼ 1

落ち込む昂秀を余所に、一行はご飯を食べ終えて場所を移動する。

とある施設の中にある卓球台の前でピコンっとみんなのスマホのLINEが鳴った。

思わず顔を見合わせて苦笑いするメンバー達。今度はどんな司令が下されるんだろう?と不安と期待を抱えながら。


「読むで。」


言ったのは壱馬で、みんながLINEの文字を目で追いながら壱馬の声を聞く。


「オトナ女子達は、次のデートの時までに年下王子様に1つお願いごとができます。みんなで話し合って1つだけお願いごとを王子様に叶えて貰いましょう!…やって。俺らにして貰いたいことやんな、ほうほう。」
「なんでもするよ!」


壱馬の横、健太がニッコリ微笑んだ。

とりあえずおいおいそれは考えるとして、先にこのレジャーを楽しもうってことになって。


「朝海さん、あの僕とペアお願いします!」


一人飯だった最年少昂秀が朝海にラケットを差し出す。


「うん!やろう!」


ニッコリ微笑むと朝海に、昂秀が泣きそうな顔でラケットを手渡した。


「マイコさん、やろ!」


言ったのは健太で、思わず壱馬を見つめたマイコの視界で「幸子、やろか!」今度は壱馬の方から幸子を奪い去った。


「夏喜くん、組もう!」
「うん。」


シュリンプバー美桜が夏喜の腕に捕まってニッコリ。


「ほな俺審判やりまーす。」


笑顔で翔吾が台の真ん中に構えた。

prev / next

― 9 ―


[ back to top ]