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落ち込む昂秀を余所に、一行はご飯を食べ終えて場所を移動する。
とある施設の中にある卓球台の前でピコンっとみんなのスマホのLINEが鳴った。
思わず顔を見合わせて苦笑いするメンバー達。今度はどんな司令が下されるんだろう?と不安と期待を抱えながら。
「読むで。」
言ったのは壱馬で、みんながLINEの文字を目で追いながら壱馬の声を聞く。
「オトナ女子達は、次のデートの時までに年下王子様に1つお願いごとができます。みんなで話し合って1つだけお願いごとを王子様に叶えて貰いましょう!…やって。俺らにして貰いたいことやんな、ほうほう。」
「なんでもするよ!」
壱馬の横、健太がニッコリ微笑んだ。
とりあえずおいおいそれは考えるとして、先にこのレジャーを楽しもうってことになって。
「朝海さん、あの僕とペアお願いします!」
一人飯だった最年少昂秀が朝海にラケットを差し出す。
「うん!やろう!」
ニッコリ微笑むと朝海に、昂秀が泣きそうな顔でラケットを手渡した。
「マイコさん、やろ!」
言ったのは健太で、思わず壱馬を見つめたマイコの視界で「幸子、やろか!」今度は壱馬の方から幸子を奪い去った。
「夏喜くん、組もう!」
「うん。」
シュリンプバー美桜が夏喜の腕に捕まってニッコリ。
「ほな俺審判やりまーす。」
笑顔で翔吾が台の真ん中に構えた。
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