「名前」
「何」
「何かあった?」
「…何も」
「泣きそうな顔してる」
「してない」
地べたに座り込んで顔を俯かせている名前。その手には傷だらけのモンスターボールがあった。あのボールは確か名前の相棒のランクルスのボールだ。
「名前、」
手をのばして名前の髪をゆっくりと撫でる。名前がピクリと反応したのを僕は見逃さなかった。この様子だと多分またバトルに負けてしまったんだろう。名前はどちらかというとあまりバトルは得意ではない。その上名前は負けず嫌いで、バトルに負けると途端に素直じゃなくなる。それでも名前が苦手なバトルをやめないのは僕と釣り合うようになりたいから、だという。そんなことしなくたっていいのに。でもそれを名前に言ったところで名前が聞くとは思わないけど。
「名前、泣かないで」
「泣いて、ない」
ほら、またそんな嘘を言う。そんなのすぐに嘘だってバレちゃうよ。だってそんなに声が震えているじゃないか。ついには俯いている名前の顔から、手の中にあるモンスターボールに雫が一滴落ちた。それを見た僕は名前の泣き顔を隠すために名前をギュッと抱きしめる。
「名前、」
「泣い、て、ない」
「うん」
どう聞いたって涙声だし、胸元は名前の涙でちょっと冷たい。それでも泣いてない、と言う名前の髪をゆっくりと梳いていく。
「…泣いて、な、い」
自分に言い聞かせるように呟かれたそれを聞いて、僕は名前を抱きしめる力を強くした。
「うん、名前は泣いてないよ」
名前の手の中のモンスターボールもカタリ、と揺れた。
―――
意味不明ですね!
自分でもわかりません←
大体の雰囲気を掴めてもらえればいいなぁ…と思います
120520
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