真心と甘さを君に
私は、バレンタインにとブラウニーを作った。
しかし、いざ渡してみたら…

「わぁっ、ありがとう。 でも、考える事は同じだったね…」

照れ笑いしながら彼がそう言った。

「え…?」
「はい。これ、君に。」

…何故なら彼は、私にお菓子を作ってくれたらしい。
中身は、チョコレートのクッキーだった。

「ありがとう…」
「そうだ、せっかくお菓子をお互いに作ったんだから、お互いで食べさせ合う…とかしてみよう…?」

…何だか照れくさいが、彼の表情を見ているとやらざるを得ないようだ。

「アレルヤが、そう言うなら…」

そう言って承諾したが、いざやろうとすると恥ずかしい。

「…何だか、照れるね…」
「(あ?言い出しっぺ誰だよ。)」
「案を出したのは君だろう、ハレルヤ…」

喧嘩をしているようだ。

「ね、アレルヤ…あーんして?」

切ったブラウニーの欠片が刺さったフォークを差し出してみた。

「え?ああ… っ…」

真顔だった彼の表情が一気に緩んだ。

「何だか、照れるけれど…美味しい。 じゃあ、僕も…」

クッキーを摘んで、私の口元に差し出した。

「どう、かな…?」
「美味しいよ、すごく…」
「ふふ、良かった…」

…だんだん繰り返していくうちに、照れくささも無くなっていった。
気が付けば、もうクッキーは最後の一つ。

「はい、あーん…」
「はむっ…」

最後の一つを食べ終えて、彼が言った。

「こうして一緒にお菓子を食べる機会って、なかなかないから新鮮だね。」
「そう…だね、私はあまりお菓子は食べないし… でも、あまり食べ過ぎるとミレイナみたいに体重で悩む事になりそうだから…」

私は体重をさほど気にしない方だが、増えすぎるとパイロットとして如何なものかと思うので自制をしなくてはならない。
お菓子はほどほどにしても、甘いキスは控える気はなくなりそうだった。

(トレーニングなら、付き合うよ?)
(お願い、しようかな…)

もちろん、君だけの特別メニューで。

13.02.10
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