リボンを結んで
(※ニールとアニュー生存前提同居if+ニールがちょっとS気味につき閲覧注意)

それは、家に帰って来た時だった。

「ただいま…」

リビングに居ると思ったが、居ない。

「ニール、どこ…?」

そう言いつつ、部屋に行ってみた。

「…?!」
「お、おぉ…おかえり、スピカ…」
「ど、どうしたのそれっ…!?」
「…ライルが、唐突に…」

…何故彼はニールをリボンでぐるぐる巻きにしてしまったのだろうか。そう疑問に思っていたら…

「な、なぁ…これ… 早く解いてくれ…」

とりあえず、手首のリボンは解いた。
だが、他の部分が複雑に結ばれている為に解くのが困難だ。

「な、何でそこだけ…」
「だ、だって…これ結構複雑になってるから…」

でも、今日はホワイトデーだから…とどこか納得しているところがある。
独り占めしても…という、どこか欲張りな事を考えてしまった。

「…独り占めしようとか考えた?」
「え…」

動揺する私を横目にして、ニヤリとしながら彼はそう言って枕元からキャンディの入った箱を取り出した。

「わっ…これ…」
「バレンタインのお返し。」
「ありがとう… じゃあ、さっそく…」

一つを口に入れて、少し口の中で転がしたら…

「…!」

唐突に口付けてきた。しかも、キャンディを舐めている最中の口をこじ開けるように。

「んっ…ふぁっ…」

キャンディを口移しで舐め合っている状況。
恥ずかしいと分かっているのに、つい声が出てしまう。

「おー…可愛い…」

一旦離れると、彼はそう言っていた。

「は、恥ずかしい…」
「ん?恥ずかしい? でももっと恥ずかしいこと、してるだろ…?」

耳元で囁かれると、抗う気を削がれてしまう。

「何なら、今から…」
「うぅ…まだ日が出てるから駄目…」
「冗談だっての… でも、日が沈んだら…な…?」

…口は災いの元だ。愛されていると感じるから嫌ではないけれど…

「で、いつになったらこれを解いてくれるのかな…?」
「えっ…あっ… 今…解くから…」
「よしよし、おりこうさん…」

時間はかかったが、全て解くことはできた。
このリボンの使い道は悩ましい所だが、ライルには後で怒っておこう。

でも今は、ニールを独り占めしたい気分だからと後回しにすることにしたのだった…


(これでライルを縛ってアニューにプレゼントすれば良いんじゃないか?)
(でも、アニュー呼んで来ないと意味ないんじゃ…)

悪戯と悪戯が重なった愛のプレゼント。

13.03.17
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