お見舞いという名の甘いお返し
今日はホワイトデー。
故に甘い時間を楽しみたい、のだけど…

「アリエス?それなら体調悪そうだったから部屋で休ませてるぞ。」
「え…また無茶したのかな…」
「アレルヤからも言ってやってくれ、無理をするなって…」

君は体調を崩してダウンしていた。
…これは部屋に行くしかない。

「うぅ…」
「もう…体調管理はしっかりって言ったじゃないか…」

君の頑張りには尊敬もするけれど少し呆れてしまう。

「…今日は、ずっと隣に居るからね。」
「ん…了解…」

でも、久しぶりにゆっくり顔を合わせられるのは嬉しかった。

「スピカ…風邪引いてない?」

どうせなら、君の風邪を貰いたいところだけど…なんて邪なことを考えていた。

「…うん…それは、大丈夫… 頭痛やら、貧血で苦しかったけど…」
「食欲が出たら、栄養をしっかり取らないと。」
「そう…だね…」

机の上には、ビタミン剤の類。栄養が足りてないのだろう。
弱々しくしている君の手を握っておいた。

「…そうだ、今の状況じゃお見舞いになっちゃうけれど…これ、バレンタインのお返し。」
「あ、ありがとう…」

包の中には白いテディベア。
ハロを抱えている姿も可愛いけれど、こういうものを抱えている姿を見てみたかったから。

「可愛い…」

僕からすればぬいぐるみを抱きしめている君が可愛くて、額にキスを。

「うぁ…恥ずかしいよ…」
「そんなに照れても可愛いだけだよ。」

それは事実なのだからしょうがない。
本来なら、もう少し踏み入ったこともしたかったけれど…君の体調を考えて止めた。

「…ねぇ、スピカ。 あまり無理しないでね…」

だからせめて抱きしめて、キスをして…

「…今夜は、一緒に居るからね。」
「ん…うん…」

…眠るまで寄り添って、朝まで過ごす。

それから眠りから覚めて、おはようのキス。

「…!」
「ふふっ…おはよう、スピカ…」

そう言って君を照れさせる。ここまでが、僕のお返しであり甘いお仕置き。
でも、まだ物足りない。今度はハレルヤにも協力してもらおう。


(元気になったら覚悟してね?)
(りょ… 了解…)

君に贈るのは、真っ白な気持ち。

13.03.17
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