君と僕だけが知る愛の痕

週に一度の秘密のきまりごと。


「…一週間も経てば消えてしまうな。」


シャツの襟を捲ってみる。
細い首筋に付けた痕は無く、そこにあるのは白い肌だけだった。


「スピカ…」


後ろから抱き寄せて、首筋に唇を寄せる。


「っ…」


君は耳が弱いのは既知の事実だ。だから先に、耳にキスをしていた。

そのせいだ、さっきから君が怯えているのは。


「…今更怯える必要はないだろう。」

「だって…」


髪を触った後、そっと首筋に甘噛みするようにキスをする。


「ひゃ…ぁっ……」


キスをする度に甘い声が漏れて、僕を興奮させる。
試しに舌先でそっとなぞってみた。


「やっ… あぁっ…!」


首筋も弱いときた。舌を這わせると、痙攣したかのようにびくっとする。


「…可愛いな…」

「うぅ…恥ずかしい…」


ほら、今度は君の番だ。そう言って僕もシャツの襟を捲る。
今度は向かい合わせで座らせる。


「…じゃあ…いくよ…?」

「ああ。」


…君ほどではないが、びくっとしてしまう。


「………」

「…堪えようとしてる?」


むしろ君は堪えようとしていないだろう、と思っていたら…


「っ……!」


…さっきの仕返しか。上等だ…


「ひゃっ…!」


君を胸に抱き締めた。そしてそのまま横になる。


「ティエリア…?一緒に寝るの…?」

「それ以外に何が有る?」


意地悪をするようにそう言っておいた。
君は拗ねるような顔をしていたが、髪を撫でたら元に戻った。


「解り易いな、君は…」


今日も君に愛の証を付ける事が出来た。

それは今日も無事に生き延び、互いに一歩進んだ証拠でもある。

それに少し満足しながら、僕は目を閉じるのだった。


(…今日も、君に感謝と愛を。)

少し恥ずかしいけど、特別な秘密。
12.11.08


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