二人で、海辺を歩いていた。
「暑いのは苦手だけど…こうして海辺を歩くのは好き。」
たまにはこうして、何も考えずに過ごすのも良い。
隣で歩く君を見ながら考えていた。
「そうだね…」
冷たい水に素足を浸す君を見て、宇宙に上がるのを少し躊躇ってしまいたくなる。
でも、僕達には使命が有る…って、君と二人きりなのにこんな事を考える僕は無粋かもしれない。
「ねぇ、アレルヤ。」
「えっ、わぁっ!?」
水をかけられた。それなら、お返しだ。
「わっ!?」
水遊びなんて、した事無かったっけ。
こうして童心に返るのも悪くない。
「(でも、君は子供の頃の記憶が無いんだっけ…)」
「アレルヤ…?」
君は僕に歩み寄ろうとして、躓いた。
「きゃあっ!?」
「うわあっ!?」
君を受け止めようとして、一緒に倒れてしまった。
「ご、ごめん…アレルヤ…」
「い、いや…いいんだ…」
…二人してずぶ濡れだ。
見上げてみれば、君の服が透けていた。
「あ、あの…えっと…」
「え…?」
白い服だったから、肌が透けていて目を逸らしたくなる。
「ああっ!アレルヤったら、ずぶ濡れ…」
「…君もね。」
…どうしよう。訳も分からずドキドキしてきた。
ハレルヤじゃないけれど、どうしても君を抱きしめたくなる。
「ふえっ!?あ、アレルヤ…?」
「無邪気な君がいけないんだ…」
…この真夏日の暑さと衝動が合わさって、思考が止まってしまうほどとろけてしまいそうだった。
To the insight of light
(あ、アレルヤー!?ま、まさか熱中症!?)
((無防備なあんたのせいでしょうに…))
君の純粋さが作り出す真夏の熱に惑わされて。
(展示期間:12.5.10-12.10.14)