寝転んで見上げるのは、曇りのない空。
「空が綺麗だね。」
「うん。」
僕とハレルヤは寝転がって、君は樹に寄りかかって絵を描いていた。
「…何を描いているんだい?」
「…内緒。」
…そういうところを隠すのはちょっと可愛い。
「つーかよー、嬢ちゃん。こんな曇のない空描いても面白くねぇだろ。」
そうとは限らないでしょ、なんて苦言を呈してみる。
…集中しちゃってるから、君には届いていないけれど。
「(絵を描いてる時の君は、いい顔してるなぁ。)」
時々悩んで、時々笑顔になったと思ったらまた悩んでの繰り返し。
「…今日は百面相か?」
…といってもさっきから繰り返しだよ、と一言。
それから、鉛筆を動かす手を止めた。
「…出来た。」
嬉しそうにスケッチブックを抱える君が居た。
覗いてみたら、そこには僕とハレルヤが描いてあった。
「君のそういう所、本当可愛く感じるよ…」
「なるほどなぁ、俺達を描いてたのか…」
「…自然に描きたかったから、言わないでおいた…」
頭を撫でると君は照れていた。
「ん…アレルヤ…」
「お、お前ばっかずりぃぞアレルヤ!」
負けじとハレルヤも頭を撫でた。
「日も陰ってきたし、帰ろうか。」
「うん。」
三人で歩いていると、なんだか兄妹みたい。
「こうして歩いてると兄妹みたいだよね。」
「…こいつはともかく、俺達はどっちが上なんだよ?」
「僕じゃないかな。」
「いや、オレだろ。」
そんなやり取りをしてる僕達の間に笑う君が居た。
その時、君は僕達をドキっとさせる一言を言った。
「…でも、私から見たら二人共お兄ちゃんだよ。」
「…!」
…僕は何故か不覚にもときめいてしまった。
何故なのかは僕もわからない。でも、ちょっと可愛かった。
陽の光の下で(Haptism Edition)
(けどよ、質問の答えにはなってねーぞ嬢ちゃん…)
(…?)
だってどっちも本人なのだから甲乙付けがたいよね。
アレハレ双子設定で書いてみたもの。14歳の彼女はド天然。
(展示期間:12.02.18-12.05.10)