時には何も考えずに君の隣に居たい。
「どうしたの?」
「今は何も考えたくないだけだ。」
「…ティエリアにしてはめずらしい。」
そうだろうか?君から見たらそうだろうな。
「…何も考えずに抱き合うのは嫌か?」
「嫌、じゃないけれど…」
やっぱり、嫌ではないんだな。
抱きしめて、何も考えられなくなるほどの温もりに包んでしまう。
「…温かい…」
「このまま抱き合ってしまおう。」
君の温かさを感じながら眠りたい。
髪を撫でて、そっと首筋にキスをした。
「やんっ…」
「…こういう日もいいだろう?」
「そうだね… もっと、平穏な所だともっといいけれど…」
…本来ここは戦場だ。彼女は戦場でこういうことは許されないと考えていたのだろう。
「…僕だって、時には夢を見たくなる。」
「何と言うか…ティエリアらしくないね…」
そうだ、理知的な事を全て捨てて、君の夢を見ていたい日だってある。
真っ白な手を握りながら目を瞑れば、眠りに落ちるのは容易だった。
時には理知なんて捨てて
(おやすみ…)
理知的な事を捨てるのは、君の隣に居たいという口実の為の理知かもしれない。
(展示期間:12.10.14-13.01.07)