剛と柔と
あのちっこいのは、そそっかしいし危なっかしい。
けど、自覚無しに純情だったりするのがたまらなく可愛い弄りがいのある奴だというのがオレの見解だ。

「う、あっ…」

高いところに手が届かないらしい。
しばらく観察していたら…

「よっ、と…」

何か背伸びし出して不安定になってたから、つい手が出てしまった。

「無理すんじゃねぇよチビ助。」
「あ…ごめん、ハレルヤ… って、チビ助はないでしょ…」
「そーゆーのは165cm越えてから言えっつの。」

そりゃあ、身長差が27cmもあるんだからそうも言いたくなる。
コクピットだってあいつの機体のだけ一回り小さいし。

「けどよ、ちっこいのも悪くねぇな。」

体格差もあるから、細いから抱えるのも楽だし…

「ちょ、ハレルヤ!?」
「おっと、暴れなさんな。落ちんぞ。」

抵抗されても抑えられる。

「つーか相変わらず軽いなお前… 次の定期メディカルチェック引っかかるんじゃねーか?」
「う…」
「それが嫌ならもっと食え、いずれにせよそのまんまじゃぶっ倒れんぞ。」

もともと少食なのはわかるが、見てておっかない。
前回がどうだったかなんてオレは知らないけど。

…実は、アレルヤほどじゃねぇが心配はしてる。
あいつは結構生真面目だから多少の無理なんて躊躇わない。

「ぶっ倒れたらアレルヤが大わらわだろうよ。」
「そうだね…」
「そんならもっと健康管理に気ぃ使えっつの。」
「うん…」
「よし、いい子。」

額にキスしただけで赤面。可愛い奴だ。

「…可愛すぎだ、このチビ助。」

…だから、やめられないんだ。こいつをいじるのは。

(…いつになったら降ろしてくれるの…)

――――――――――――――――

数日後…

「…アリエス…体重減りすぎ…」
「うぅ…」
「ほら、言ったろ?」

―――――――――――――――――

ハレルヤ様にちびっ子扱い。
アレルヤだったら屈んでくれるけどハレルヤだとそうはいきません。
これ以上成長見込めないと分かってて意地悪言って、拗ねてる所を観察してたり。

おまけの体重減りすぎという台詞はフェルトの台詞です。
アレルヤだったらこんなもんじゃ済まないと思うので。

13.08.13


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