キミはとっても不器用で、恋愛はまったく未知の領域なのは分かってる。
初々しくて可愛いけれど、自分からばかりじゃ僕にはつまらない。
「スピカ、そんなに遠慮しないで…」
もっと求めてよ。キミは、僕とわかりあえた仲なのだから。
本当の名で呼ぶのは、二人の間柄を証明する為だろう?
「あ…ごめん…」
謝らなくてもいいのに。キミの控えめさは知っているのだから。
「こういうの…経験無いから…」
「うん…でもせめて、甘えられるようにはなろう?」
その優しすぎる性格は、甘えることを知らない。
愛されたことが幼少期に無かったせいなのかもしれない。
キミのこと、わかっているはずなのにどうしてももどかしく感じてしまう。
「……」
僅かな力ながら、一歩歩み寄って僕に抱きついて来た。
「…恥ずかしいから、ちょっとだけ。」
そう言って、背中に手が回った。
そう、あと少しだよ。そのまま背伸びしたっていいんだよ?
「……?」
ここから先は何をしたらいいかわからないようだね?
しょうがないな、特別にキミに教えてあげるよ。
ただし、照れすぎて気絶しても知らないんだから。
「教えてあげようか?」
頷いたのが見えたから、そっと口付けた。
僕は目を瞑ったけれど、キミは多分、目を見開いてしまっただろうね。
「!!??」
そんなに赤面して…
「あ、うわぁっ?!」
バランスが崩れて、僕が押し倒される恰好になった。
「う、うぅ…いたた… あ、ごめん…リジェネ…」
「ふふ…スピカってば、嬉しいからって押し倒さなくたっていいでしょ…?」
可愛いなぁ、もう…キミはどうしてそんなに可愛いんだい?
なんて聞いても、自覚してないんだからわからないよね。
「もしかして…これ以上の事を御所望かい?」
「ち、違っ…!」
「アリエスさ〜ん、レジェッタさ〜…!? はわわわわわっ!!!?お邪魔だったですか!?」
「あ、待って…!」
逃げるミレイナに助け舟を求めるも、失敗している。
これは好都合だ。
「僕は待たないよ。」
もとい、待てないよ。
だってキミが大胆な事をしてくれたせいで、理性がどこか行きそうになってるんだから。
「…今の可愛かったよ、とっても。」
耳元で囁く。
「…さあ、見つからない内に早くベッドに行こうね。」
「え、ちょっと…!?」
「押し倒すほど好きなんでしょ?それなら、いっぱいお返ししてあげなくちゃ駄目だよね?」
僕にとってはただの倍返し。でも、キミにとっては何倍返しになるんだろうね?
とっても気になるから、深くレクチャーしてあげなくちゃ。
the Love Etude-19歳から始めるラブ・レッスン-
(…いっぱい可愛がってあげるからね?)
(えぇぇっ…!?)
―――――――――――――――――――――
『リジェネ、何をしている!』
「うわっ、ティエリアっ!?」
―――――――――――――――――――――
初リジェネ夢。R.L.Iではちょこっとだけ出しましたが。ちなみにCB所属ifです。
筆者的にはリジェネは知略を凝らした小悪魔系だと思っています。
ハグからファーストキスへ至るまでを書きました。
ベッドの上でのレクチャーに関しては気が向いたら書きます。
13.07.09