(※第二次Z再世篇18話ネタバレ及び主男装につき閲覧注意!)
私はアッシュフォード学園に通いながら、ソレスタルビーイングの活動をしていた。
一時的なものだがリリーナ・ドーリアンの護衛という名目もあったし、学校に行ったことがない事を心配した周りの気遣いでもあった。
「…キューピッドの日?」
学園の敷地内でお目当ての人の額にタッチするゲームらしい。
タッチされた人はタッチした人と強制的に恋人同士に…
「…って、ちょっと待って!?」
この学園内は広い。
しかも、私はよくラブレターを貰う。今朝も郵便受けを見てみたら、何通か入っていた。
「私は…!」
全力で逃げさせてもらう。
そう、逃げ切るか彼のところに全力で向かわなければならない。
「アリエスせんぱぁーーーい!」
「タッチさせてくださーーい!」
「(ちょ、ちょっと待って!?)」
追っ手は10人程度。しかも、全員女子だ。
逃げ回るには、男子制服を着ていて良かったと思う瞬間だ。
『(ちょっと、何で男子生徒として通したのよ!?)』
「(だって、一応女性のマイスターが居るという事がバレたらマズいって言われてたから…!)」
私は性別を偽った方が良いと言われて男装をしていた。
女子を撒いたところで校舎外に出て、ZEXISの仲間達のところに向かった。
「はぁっ…はぁっ…」
「よう、アリエス。モテモテみたいだな。」
クロウに指摘されたが、『好きでこんな事をしている訳ではない』と返しておいた。
「だってイベント開始直後に、ルール把握する隙も無く女子に追いかけられてたんだよ…?」
「女子に…それは大変ね…」
ルナマリアに心配されたその横で、
「アリエス姉ちゃ…いや、今は兄ちゃんか。」
「ここに通ってたんだな!」
「うん…学校に一度も行った事無いって言ったら、心配されちゃって…」
「でも学校って楽しいよなぁ〜、宿題大変だけど。なあ?兄ちゃん。」
勝平とワッ太と話していた。
この後、エスターがとんちんかんな発言をした。
「え…アリエスって男だったの!?」
「何でそうなるのよ!?」
思わずアニエルの口調で言ってしまった。
失礼しちゃうわ、というつぶやきがどこかで聞こえた気がする。
「エスター…人の話、聞いてたか?」
エスターの発言に関してはデュオにも突っ込まれていた。
「…え?」
「…アリエスは性別を偽って学校に通ってる。それをしなくちゃいけないほどの事情が有るんだって。」
カレンが言った通りだ。理由は機密事項なのでここでは言えないが。
「でも、男にしか見えないし!」
「そういう時は中性的って言え!すげー嫌な顔されてるぞ!」
エスターの発言には少し傷付いた。
確かにマイスターとしてトレーニングはしているが、男性に間違われるのは心外だ。
「すげえな、アレルヤとマリーさんの追いかけっこ…」
「まるでニンジャとクノイチみたいだ…」
ガロードとゲイナーの見つめる先ではアレルヤとマリーが楽しそうな顔してかなりのスピードで追いかけっこしている。
「脳量子波による超反射能力…やっぱり尋常じゃないね…」
「あんたのここに走ってくるスピードも尋常じゃなかったけどね…」
カレンに指摘されていたが、走りなら陸上部にも負けてないと思う。
「アリエス…」
「あっ、刹那…」
とっとと彼にタッチしてしまおう、そう考えた。
「…追っ手が来てるぞ。」
指差した後ろから既に追っ手が来ていた。
「え、嘘ぉっ!?」
私は即座にUターンして校舎に向かって走り出した。
「アリエス、脚速いね…」
「ああ…」
校舎内…
「(うぅ…刹那に触れられない…)」
そう嘆きながら隠れつつ逃げていた所だった。
「…!!?」
ふと窓の外を見たら、ルルーシュが女子生徒を振り切る為にかなりの高さでジャンプしていた。
「何あれ… …!!」
窓の外の異景に目を遣っていたら、また追っ手。
「アリエスくーん!」
「えっ、ちょっ!?」
「タッチさせてー!!」
冗談じゃない!
私には、ちゃんと心に決めた人が居るのだから!
「まずい…!」
「(ちょっと、アリエス。)」
「な、何!?」
「(…何か不穏な予感がするのよね。よくわからないけど。とにかく、警戒はした方が良さげね。)」
…不吉なことを言わないで欲しい。
「(誰か来る…!)」
私は警戒しながら振り向いた。
「…アリエス。」
「あ、ヒイロ…」
追っ手かと思ったが、ヒイロだった。
「行かないのか?」
「行こうとしたけど追っ手に阻まれた…」
「…そうか。」
彼には私が刹那の所に行くのは分かっていたのだろう。
追っ手が来たら困るから、とまた走り出した。
どこに隠れようか悩んでいる所に…
「…動くな!」
「…え?」
明らかに見た目がテロリスト。
『(あたしに任せなさい!)』
人格が切り替わる。
テロリスト一人が相手なら、伸してやるだけ。
「テロリスト…ついに教育機関を襲うほど落ちぶれたのね。」
「動くなと言っているだろう!」
「…は?ナメんじゃないわよ。」
腹に一発蹴りを。
「つまんない。やっぱり銃に頼るだけのド素人ね。」
外が騒がしい。ガンダムの出番だろう。
「(額、触れなかった…)」
…それがかなり悔しくて、戦闘中も密かに引きずっていた。
テロリストも駆逐され、機体を格納した所で…
「…アリエス、」
「あ、刹那…」
さっきのイベントのことを思い出して、額にタッチしようとした。
だが、先を越されてしまった。
彼は私の額にタッチしたのではなく、キスをした。
「…!」
「…あんな事をしなくても、俺達は既に恋人同士だ。」
照れ顔を見られたくなくて、抱きついてしまった。
「あ…」
また髪を撫でられた。
ほとばりが覚めて離れようとしたが彼が離してくれず、しばらく彼の腕の中に収まっていたのだった…
アッシュフォード・ラプソディ
(でも刹那…先を越すのはずるい。)
(え…すまない…)
はい、ネタ被ってそうな気がしますが再世篇18話ネタです。
随分前に書き上がってはいたですが、正直色んな意味で公開するの躊躇ってました。
筆者はあまり男装夢って好きではないのですが、アッシュフォードの女子制服似合わなさそうとか考えていたらこうなりました。
…ちなみに、18話はギアス面なのにカレン以外ギアスキャラが全然出て来なかったのは筆者がギアス見た事無いからです。というかスパロボでも全然使ってないです(私のメンバー構成だと枠足りないから)
12.8.31