「スピカ、スピカ…」
「んぅ…」
「ったく、早く起きろよ…」
目が覚めたら、ハレルヤが居た。
「あんま寝坊助だとあらゆる手ぇ使って起こすぞ?」
「あらゆる手って…痛いのは嫌だよ?」
「オレが求めてんのはもっと違う方だっつの…」
ニヤニヤしながらちょっとがっかりしていた。
「ん?お前、耳まで赤いぞ?さては想像したな?」
「えっ、えぇっ!?」
「ったくよー…朝からそんなに乱されたいか?」
起きろと言ったのはそっちなのに、押し倒しているような体制。
ちょっと待って、これアレルヤが居なかったら私…
「どうした?そんな目ぇして、オレに食って欲しいって言ってるようなもんだぜ?」
耳元で囁かれた。
「耳弱ぇんだな…」
「うぅ…」
首筋にキスされる感触。その時…
「ハレルヤ!」
「あー?何だよ、邪魔すんなよ…」
アレルヤが部屋に入ってきた。
「そんな無理やりなのは可哀想だよ…」
そう言ってハレルヤを退けた…までは良い。
何故か私を抱き起こし、そのまま離れない。
「え…?」
「もっと優しい方がいいよね。」
髪を撫でられた。
確かに、優しい方が良いのは合ってはいる。
「うん…」
だが、状況把握が出来ていない状態でこれはちょっと…畏怖感がある。
「でも、刺激も必要だろうよ?」
「それはじっくりと与えたほうがいいと思うけどな。」
…実際こんな事されたら、絶対目が覚めると思う。嫌でも。
「ん…」
アレルヤの指が頬や唇を撫でる。
「…すごく可愛い。」
耳元は駄目だって…という声は届いていない。
「耳まで赤いよ、スピカ…恥ずかしがり屋なんだね。」
「は、はう…」
でも、夢の中のはずなのに…何でこんなにリアルに感覚が伝わってくるのだろうか?
「…!」
また首筋にキスされた所で、不意に目が覚めた。
「すっごく眠そうだったから…」
「もう、恥ずかしいよ…」
そうだ、今は確か夜。アレルヤの部屋でのんびりしていたら眠くなったんだ。
「…でも、どんな夢を見ていたんだい?」
「よく分からない…でも、アレルヤとハレルヤが出てくる夢…」
「そっか…でも、もう遅いし眠ろう?」
「うん…」
そっとキスされる感触がした。間髪入れずに腕に抱かれるような感触。
ハレルヤが居たのは、夢だったのか…思えば、夢と現実が混ざってしまうほど眠かったのかも知れない…
バッドドリーム・パラダイス
(よく分からないけれど…幸せだから、まあいいか…)
眠気で夢と現実の間が分からなくなるという話。夢にはハレルヤ様も武力介入して頂きました。
アレハレにカテゴライズしていいものか迷ったので…アレルヤ夢にしておきました。
12.3.12