薬草を求めて


「お母さん?!」

突然、母が家の床に倒れてしまった。
ヒロインが駆け寄り抱き起こすと、母の身体の熱さが伝わってくる。

「酷い熱…まさか、お母さんも…?」

最近、ヒロインの住む村では、原因不明の病が流行っていた。
母と共に魔法使いである彼女は、その病を治す薬を作ろうとしていたが、母までもがその病に罹ってしまったとあれば、まだ見習いのヒロインにはどうする事も出来ない。

「お母さん…」

ヒロインは母をベッドに寝かせ、母を見つめる。
母の顔は赤く、とても苦しそうであった。
母の額に冷たいタオルを乗せると、ヒロインは家を後にし、村長の元へと走る。

「なんと…ヒロインのお母さんまでも病に…」
「はい…今朝倒れてしまって…」

村長に母の事を告げると、彼は苦痛の表情を浮かべていた。

「そうか…。ヒロイン、医師が言っていたのだが、この病にはどうやら薬草が効くらしくてな」
「!そういえば母も、薬草が何とかって…」
「やはりそうか。その薬草を煎じて飲めば、今病に苦しんでいる者も治ると言うのだが…」

村長はそこまで言って、再び顔を歪ませる。

「…しかし、その薬草は北にあるあの山の頂上にしか生えていないらしい。しかも、あの山は魔物の巣と化している。そこに取りに行ける者など、この村には…」
「村長さん、私が…私が取りに行きます…!」

気づいたら、ヒロインはそう声を上げていた。

「いや、ヒロインは一度も村を出た事が無いだろう?危険だ」
「でも…誰かが取りに行かなくちゃ、お母さんも…村の人達も助からない。私が行ってきます!」
「ヒロイン…分かった。君にお願いするよ。お母さんの事は、私が責任持って看病をするから。…どうか、山の頂上の薬草を取ってきてくれ…!」
「はい、任せて下さい!」

ヒロインは元気よく、はっきりと村長に返事をしたのであった。





「はあっ!」
「ギギャ!」

炎の魔法を放ち、ヒロインは魔物を倒す。

「はあ…はあ…外って…こんなに魔物がいるのね…」

村を出るのが初めてのヒロインは、魔物との戦いに息を切らしていた。
母から教わった魔法のお陰で、魔物を倒す事は出来ていたが、実戦経験が無いヒロインは、段々と体力を奪われていくのが分かる。

「…でも、負けない。お母さんと…村の人達の為にも絶対…薬草を手に入れるわ…!」
「ギィギッ!」

そう決心するヒロインの前に、またもや新たな魔物が現れ、彼女を通せんぼしていた。

「えっ…また…?もう…っ、はーっ!」

再び杖を握り締め、ヒロインは魔法を放ち魔物を倒していくのであった。




「あれは…村…?」

目的の山まで近づいてきた頃、山の麓に村の様なものが見えていた。

「あっ、村だ…良かったぁ…」

村を出てから魔物と戦いの連続で、ヒロインの体力も精神力も既に限界に来ていた。
東にあった太陽も既に沈みかけており、ヒロインは山に向かう前に、今夜はこの村で休む事にした。

「わ…人が沢山いるのね」

村とはいえ、中は旅人や村人で賑わっていた。
その理由は、直ぐに分かる事になる。

「そこのお嬢ちゃん、この村の名物、温泉に入っていきなよ」

ヒロインが通りがかると、横にいた明るい中年の女性が声をかけてくる。

「え、温泉…ですか?」
「うん、この村は天然の温泉が湧いていてね、疲れなんか一気に吹き飛んじゃうんだよ」
「そうなんですか。温泉か…」

勿論、ヒロインは温泉など入った事が無い。
魔物との戦いで疲れ果てていたヒロインは、宿に泊まるついでに温泉にも入ってみようと思った。
ヒロインはその女性に案内され、温泉が入れる宿へと向かう。

「お客さんだよ!」
「あいよ!お嬢ちゃん、お一人かい?」

女性と共に宿屋に入ると、威勢の良い中年の男性が、カウンターから声を上げる。

「はい、一人です」
「あいよ、おいヒーロー!お客さんを案内しろ!」

男性が奥にそう声を上げると、ヒーローと名前を呼ばれた男性が現れる。

「…」
「!」

ヒロインは思わず、そのヒーローと呼ばれた男性に見惚れていた。
サラサラの金色の髪に蒼い瞳、まるで物語の王子様そのものであった。

「…こっち」
「あ…は、はい…っ」

ヒーローはヒロインをチラリと見ると、そのまま奥へと向かう。
ヒロインは慌てて、彼の後に続く。

「全くヒーローは。少しは愛想良く出来ねぇのか…」
「父ちゃんと私の子だもの。直ぐに愛想良くなるで」
「だな、そうだな、ははは」

仲の良いこの宿屋の夫婦は、一人息子ヒーローを心配しながらも、お互いを見つめ合い笑っていた。



「ここがあんたの部屋」
「わあ…素敵…」

木の温もりが感じられる、シンプルだがとても素敵な部屋であった。
ヒロインは部屋に入り、大きく深呼吸して、木の匂いを楽しむ。
自分の村も木に囲まれた村なので、ヒロインは自然が大好きであった。

「…なあ」

そんなヒロインの様子を黙って見ていたヒーローが、ふっと口を開く。

「はい?」
「あんた、旅してんの?」
「あ…はい。母と、村の人達が病気になってしまって…。この村の裏の山の頂上に生えている薬草が、その病気に効くので、それを取りに来たんです」
「…じゃあ、あんたまさか一人で山に行くつもりか?」

ヒーローは、ヒロインのボロボロになった防具や傷を見て言う。

「はい、そうですけど…」
「…」

ヒロインが返事をしても、ヒーローは黙ったままであった。
そして、そのまま静かに部屋を出て行った。

「…ヒーローさん?なんだろう…何か、言いたかったのかな…?」

疑問に思うが、彼を追いかけたら失礼だと思い、ヒロインは部屋に止まった。





「ここかな…?」

夜、ヒロインはお目当ての温泉へと足を運び、ドアをゆっくりと開ける。
更衣室には誰もいなく、ヒロインは服を脱ぎ、更にその奥へと足を進める。

「わあ…っ」

更衣室の扉の向こうに広がる、高い岩に囲まれた温泉、露天風呂がヒロインの視界に広がり、彼女は思わず感嘆の声を上げる。

「素敵…」

ヒロインは一歩一歩段差を降り、温泉の中へと足を入れ、身体を浸からせていく。
その瞬間、なんとも言えない心地よさが全身に広がり、ヒロインは溜め息を漏らす。

「はあ…気持ち良い…。普通のお風呂と全然違う…」

ヒロインの他には誰も入っている者はいなく、彼女の貸し切りとなっていた。
温泉の温かいお湯は、昼間の戦いで傷ついたヒロインの傷や疲れを、全て癒していく様であった。
露天風呂の裏には、明日ヒロインが目指すべき山が広がっている。
それを見つめ、ヒロインは一人呟く。

「…お母さん、みんな…待っててね…。必ず、必ず薬草を持って帰るから。もう少し…待っててね…」

苦しむ母や村人を想えば、こんな温泉でゆっくりしている暇はないが、倒れてしまっては元も子もないとヒロインは思い、今はひとまず、この癒やしの温泉で体力を回復させる事に専念した。

ガラガラ

「…ん…?」

ヒロインが目を瞑り温泉の温もりに包まれていると、扉の開く音が上がった。

「誰か来たのかな…」

段差をゆっくりと降りる音は、温泉の目の前で止まり、そして、温泉のお湯が波打つ。
その人物が、温泉の中へと入った証拠であった。
うっすらヒロインが目を開けると、視界が白い湯気に包まれ、どんな人が入ってきたのか分からない。

(きっとここに泊まってる他の女の人だよね)

ヒロインはそう思い、再び目を瞑る。

「…へえ、あんたも入ってたんだ」
「…え」

湯気の中から上がった声は、聞いた事のある者であった。
しかも、それは女性ではなくー。

「気持ち良いだろ、温泉」
「!ヒーロー…さん…っ?!」

それは紛れもなく、ヒロインを部屋に案内してくれた美青年、ヒーローであった。
ヒロインが目を再び開けると、白い湯気の中に薄っすらと彼の金色の髪が光って見えていた。

「ど、どうして…ヒーローさんが…っ」

自分の身体はタオルなど巻いておらず、完全に裸であった。
それ以前に、ヒロインは年頃の男性とほぼ接した事など無く、恥ずかしさで顔が一気に真っ赤になってしまっていた。

「言ってなかったっけ?…俺んちの宿は、混浴だって」

ヒロインの恥ずかしさとは裏腹に、ヒーローは平然とそう言い放った。

「えっ…混浴…?き、聞いてないです…!」

聞いていたら、男性に対して免疫ゼロであるヒロインは、混浴の温泉に入ったりなどしなかった。

(ど、どうしよう…っ、上がりたくても…階段はヒーローさんがいる方にあるし…)

温泉から出たくても、ヒロインは温泉の隅の方にいた為、出るにしてもヒーローがいる、階段の方まで行かなくてはならなかった。
それは、彼に裸を見せてしまうという事を物語っていた。

「…な、そっちにいっていい?」
「えっ…」

ヒロインの考えとは裏腹に、ヒーローはとんでもない事を言っていた。
ヒロインが驚いている隙に、彼の金色の髪が徐々に彼女の視界に濃く映ってきていた。

「ヒーローさん…っ、こ、来ないで下さい…っ」
「なんで?」

ヒーローは平然とそう言い、ヒロインのすぐ近くまで近づいていた。
ヒロインは慌てて、自分の胸を両手で隠す。

「だ、だって…。わ、私裸だし…ヒーローさんだって…っ。ふ、普通、お風呂は女の人と男の人別に入るものですし…」
「そんな事、気にするな」
「ふ、普通は気にします…!あっ…」

顔が真っ赤に染まっているヒロインの目の前に、ヒーローの綺麗な顔が現れていた。
いつの間にか直ぐそこまで、ヒーローはヒロインの側に来ていた。
暫し、ヒーローのその顔立ちに見惚れていると、彼がクスッと笑う。

「ふ…あんた、やっぱり可愛い」
「え…」

可愛いなど言われた事がない為、ヒロインはまた動揺を隠せない。

「さっき見た時から、あんたの事可愛いと思った。…あんた、杖持ってたから魔法使いか?」
「え…は、はい…そうですけど…」
「言っておくけど、裏の山に住む魔物は、魔法は殆ど効かない」
「えっ…!」

ヒーローの発言に、ヒロインは思わず山を見上げる。
魔法が効かない魔物を倒すなど、今のヒロインには無理な相談であった。

「ど、どうしよう…。薬草を取って来ないとお母さん達が…っ。でも、魔法が効かないなんて…」

焦るヒロインの目の前で、ヒーローは青い瞳を妖しく光らせる。

「…俺があんたを助けてやるよ」
「えっ…」

ヒーローの青い瞳が、ギラギラと妖しい光を帯びている。
ヒロインはそれに吸い込まれそうになりながらも、何とか意識を保つ。
ヒーローの手が、ゆっくりと差し出され、ヒロインの濡れた頬に触れる。

「っ…ヒーロー、さん…?」
「…あんたの手に、必ず薬草を握らせてやるよ。けど…その代わり…」

頬にあった手は、ゆっくりと首を伝い、肩を撫でる。
その途端、ぞわぞわっとヒロインの肌に鳥肌が立ってしまった。

「あんたを…触れさせろ…」
「え…!んっ…!」

驚いている隙に、ヒロインの唇にヒーローの唇が触れていた。
初めて体験するファーストキスは、甘く、そして不思議な感覚であった。

「んっ…ん…や…っ!」

最初こそ、驚いて抵抗出来ないヒロインであったが、意識が戻ると、嫌々と首を振り抵抗をする。
だが、ヒーローの唇は離れず、ヒロインの唇の間から舌を差し入れ、彼女の歯列をなぞっていく。

「んんっ…い、や…ん…っ」

ヒーローの舌は歯列をなぞり終わると、ヒロインの逃げる舌を探し当て、その舌に絡ませていく。
ヒロインは両手でヒーローの肩を掴み後ろへと押すが、まるでビクとも動かない。
そうしていると、やっとヒーローの唇と舌が離れていく。
ヒロインは瞳を潤ませ、はあはあと息をする。

「ど、うして…こんな事…するんですか…っ?」

ヒロインがヒーローに息を整えながら問いかけると、彼は悪びれもなく言った。

「…言っただろ、あんたが可愛いから」
「そんな…っ、私、全然可愛くありません…っ!キス、だって…初めて、で…私…っ」
「へえ…やっぱあんた、男に触られた事、ないんだ」

ヒーローに言われ、ヒロインは顔を横に向ける。

「だ、だから…!こんな事…止めて下さい…!…きゃ!」

ヒロインが顔を背けていると、彼女の脇腹にヒーローの両手が触れられていた。

「な、何するんですか…きゃあっ!」

ヒーローはヒロインの脇腹を掴むと、そのままぐいっと彼女を持ち上げ、温泉の淵に座らせてしまった。
ヒロインのふくらはぎから上が温泉から出てしまい、彼女の身体がヒーローの目の前に露わになってしまっていた。

「やだ…っ!離して下さい!」

恥ずかしすぎて、どうにかなりそうであった。
今日会ったばかりの男性に、裸を晒してしまっているのだ。
ヒロインは立ち上がろうと足に力を込めるが、脇腹を掴んだままでいるヒーローの手が強く、ビクともしない。

「…」

暴れるヒロインを他所に、ヒーローは彼女の身体をじっと見つめていた。

「…綺麗だ」
「!やぁ…っ」

ヒーローは、ひとしきりヒロインの身体を見つめると、脇腹を掴んでいた片方の手を上に動かし、辿り着いた大きな山を掌に包み込む。

「やだ…ヒーローさん離して…っ」

ヒロインは、自分の乳房を掴んでいるヒーローの右手を掴んで離そうとするが、まるでビクとも動かない。
それどころか、掴んでいた手が動きだし、乳房に指を食いこませながら、ぐにゅぐにゅと揉み始めていた。

「やぁ…っ」

思わずビクッとなってしまい、ヒロインは目を瞑りながら、首を嫌々とする。

「柔からいな…あんたの胸。俺の手に張り付いてくる」

ヒーローは優しく微笑みながら、大きさを確かめる様に左の乳房を捏ねる様に揉みだしていく。

「ぁ…あっ…」

今日初めて出会った人に、そして生まれて初めて男の人に触れられているというのに、ヒロインは怖いよりも、身体が熱くなっていくのを感じてしまった。
好きな人とこういう行為をするとは、ヒロインも知っていた。
だが、村にはあまり年頃の男性はいなく、恋をする機会もなかった。
なので、今されている事は全て初めての事ばかりであった。

「いや…ヒーローさん…っ、お願い…止めて下さい…っ!」

瞳を潤ませたまま、頬を染めヒロインは精一杯力を込めて彼の右手を退かそうとする。

「…あんた、わざとやってる?」
「え…?」

ヒーローの声が低くなり、ヒロインは恐る恐る、彼を見上げる。
ヒーローの瞳も、ヒロインと同じ様に潤みを帯びていた。

「そんな顔されたら…余計止められない」
「!」

ヒーローの声とその色っぽい表情に、ヒロインは思わず見惚れていた。
そして、左の乳房を掴んでいたヒーローの右手が動き、乳房の頂きを指先でスッと撫でる。

「ああっ!」

頂きを撫でられた瞬間、甘い痺れの様な快感がヒロインの全身を駆け巡り、彼女は思わず大きく声を上げてしまう。

「…乳首、感じるんだ」

ヒロインの声を聞き、ヒーローはクスリと笑う。
ヒロインは慌てて首を横に振る。

「ち…違います…!」
「ふーん…なら、あんたの身体に聞いてみるよ」

ヒーローはそう言うと、ヒロインの鎖骨の辺りに顔を埋め、ちゅっと音を立て唇で吸っていく。
そのまま、撫でた左の乳首を指先で擦る様に左右に転がしていく。

「あぁ、っん…!いやぁ…っ」

初めて味わう快感にヒロインは戸惑いを感じてしまうが、それでも声を出すのを押さえられない。
足しか温泉のお湯に浸かっていないが、ヒーローに触れられている為、寒さは感じられない。
ヒロインは、左手を乳首を愛撫するヒーローの右手首を掴み、右手は彼の肩を掴む。
相変わらず力を込めてヒーローを押し戻そうとするが、やはりビクとも動かない。
それどころか、ヒロインの抵抗を押しの避けようと、ヒーローは更に愛撫を激しくさせていく。
ヒーローの愛撫で、完全に硬くなってしまった乳首を、今度は優しく親指と人差し指で根元を摘み、クイクイッと捻る。

「あっあん!」

ビクッと、再びヒロインの身体が震える。
乳首を愛撫されると、なんとも言えない心地良さに見回れ、声を漏らさずにはいられない。
ヒーローはヒロインが乳首が感じると分かり、乳首を捻りながら上へと擦り上げていく。

「あぁ、あんっ!いやぁ…ん、ヒーローさ…ん、もう…止、めて…っ」

自分がどんどんおかしくなってしまいそうな感覚に陥り、ヒロインは嫌々と首を振る。

「そんな可愛い声を出してるのに…止めてほしいの?」

いつの間にか、鎖骨からヒロインの愛撫していない右の乳房の方へとヒーローは舌を移動させていた。

「っ…こ、声は勝手に出てしまうんです…!だからもう…止めて下さい…っ」
「嫌」
「っ?!」

ヒロインの言葉に、ヒーローははっきりと否定する。
彼は顔を上げ、下からヒロインを見つめる。
整ったヒーローの表情、彼の青い瞳の中に真っ赤になったヒロインの顔が映っている。
ヒロインはその視線から、目を反らすことが出来ない。
そして、彼はニヤリと微笑むと、次の行動へと開始するのであった。
顔を元の位置に戻すと、ヒーローの前には、ヒロインの右の乳首がピンッと硬く尖っていた。
その乳首にそっと唇を近付けると、そのまま口の中に含ませ、ちゅうっと軽く音を立てて吸い始める。

「ああんっ!!」

ヒロインはヒーローの肩を掴む手の力を強め、声を大きく上げてしまった。
口の中に含まれた乳首は、ヒーローの唇に挟まれ、吸われる事にその硬さを増していく。
そして、左の乳首も指の間に挟み、乳房と一緒に円を描きながら揉みくだしていく。

「あぁんっ、あんっ!やあぁ…ん」

両方の乳首を愛撫され、とても強い快楽が乳首から伝わり、堪らず声を上げてしまう。
ヒーローが再びちゅううっと、今度は強めに音を立て乳首を吸い上げ、左の乳首も人差し指の指先だけで乳頭の部分を触れると、円を描く様にコロコロと転がされる。

「ああんっ、あんっ、あぁん。ヒーローさ…やぁあん」

甘い快楽は身体を駆け巡り、ヒロインは思わずヒーローの肩と腕から手を移動させ、彼の頭を掴んでいた。
止めてほしいと訴えていたが、あまりの気持ち良さに、ヒロインは逆にもっとしてほしいと、身体が訴えているのを否定出来なかった。

「ん…ちゅうぅ…良い声…」

ヒーローはヒロインの甘い声にそう呟き吸うのを止めると、今度は舌を尖らせツンツンと、乳頭の部分を突いていく。

「あぁ…あっ…」

限界まで硬く尖っている乳首は、ヒーローの舌に合わせコロコロと弾かれている。
そして、左の乳首も今度はしっかりと親指と人差し指で摘み、その硬さを楽しむ様に捻りながら上下に擦り上げる。

「あぁん、あんっ、ああん」

ヒロインはヒーローの頭を掴みながら、露天風呂に響き渡る程甘く、大きな声を上げてしまっていた。
初めて味わう快感は、ヒロインの理性を奪っていった。

「…」

ふと、ヒーローの舌と指の動きが止まっていた。
愛撫が止んでもどかしさを感じたヒロインは、目を開け胸元にいるヒーローを見やる。
彼はふっとヒロインを見て笑うと、彼女の脇腹に置かれた手を離し、そのまま離れていく。

「え…っ…」
「…もし、あんたがこの続きをしたいんなら…俺の部屋においで。あんたの部屋の隣だから」

ヒーローはそう微笑みながら言うと、金色のサラサラの髪を揺らしながら、露天風呂から去っていく。
白い湯気の中、ガラガラと扉の開く音が上がり、そのままゆっくりと閉められた。

「……」

ヒロインは暫し、呆然としながらヒーローの去っていった方を見つめていた。

「っ…」

だが、ヒーローに舐められた右の乳首は、ピンッと硬く尖ったまま、濃い色へと変化し光を帯びて立っている。
指で愛撫された左の乳首も、きゅっと硬く絞まり、痛いほど凝ってしまっていた。
間違いなく、ヒロインの身体はヒーローの愛撫を待ち望んでしまっていた。

「ヒーローさん…っ、なんで…っ…」

快感を求めている自分の身体を自分で抱き締め、ヒロインは呟く。

「ヒーローさん…山の魔物が私の魔法じゃ倒せないって…。だから、助けくれる代わりにって…私を…」

ヒーローの事を考えただけで、ヒロインの身体がビクッと震える。
山の頂上に、ヒロインの求めている薬草はある。
だが、そこに行くまでに魔物を倒す事が出来ないのなら、ヒロイン一人で薬草を取りに行くのは不可能な事であった。

「…ヒーロー、さ、ん…っ」

ヒロインは再び湯船の中に浸かり、どうしたら良いか考える。
身体は、まだ甘い快楽を求め震えていた。
そして、それはヒロイン自身にも言える事であった。

「私…ヒーローさんが止めたら、凄く…嫌だった…。止め、ないで…ほしかった…」

自分で呟き、ヒロインは身体だけでなく自分自身もヒーローを求めていると気がついた。
薬草の為だけではなく、ヒロイン自身が、ヒーローにもっと触れてほしいと願っていた。




ヒロインは温泉から上がり更衣室で身体を拭くと、そのまま身体にタオルを巻きつける。
そして、服を持ち更衣室を後にし自分の部屋に置くと、その隣にあるドアを見つめる。

「ヒーローさん…っ」

ヒロインの頬は、赤く染まったままである。
いつまでも廊下にいて誰かにこんな姿を見られたら、そう思い、ヒロインはノックせずそのままノブを掴み部屋の中へと入った。

「…」

部屋の中は、ベッドと机、最低限の家具しか置かれていない、シンプルだがモノトーン風のお洒落な部屋であった。
そのベッドの上で、ヒーローは肘をつき横になっており、入ってきたヒロインをじっと見つめていた。

「…どうした?」
「っ…」

ヒロインがタオル1枚でここに来たとあれば、ヒーローにもその理由は分かるだろう。
だが、敢えて彼は意地悪くそう言った。

「ヒーロー…さん…わ、私…っ」

男性と触れ合う行為自体初めてのヒロインが、彼に自ら抱きついて求めるのは無理な話であった。
ヒロインは顔中真っ赤にし、下を向き俯いたまま呟くしか出来なかった。

「…クス…」

そんなヒロインを見つめ、ヒーローはベッドから起き上がると、ゆっくり彼女に歩み寄る。
そして、俯いているヒロインの頬に手を当て、ゆっくりと顔を上に上げさせる。

「…あんたは自らここに来た。その意味、分かってる?」
「…っ、わ、かってます…」

ヒーローの青い瞳が、再びヒロインを捕らえて離さない。
潤んだ瞳のまま、ヒロインは彼にそう言った。

「あんたの名前、まだ聞いてなかった」
「ヒロイン…魔法使いの…ヒロインです…」
「ヒロインか、可愛い名前…」

ヒーローはふっと笑い、頬に置かれた手を顎へと移動させる。
そして、そのままヒロインの唇に再びキスを落とす。

「んっ…」

ヒロインも抵抗する事なく、ヒーローのキスを受け入れる。
彼に触れてほしくて、自らの意思でここに来た、抵抗する理由など無かった。
ヒーローは、触れるだけのキスから舌を使い始め、ヒロインの口内を掻き乱していく。

「ん…ふぁ…っ」

吐息を漏らすヒロインをゆっくりと移動させ、キスをしたままベッドへと押し倒していく。
そして、胸元のタオルを掴むと、そのまま横へと広げてしまい、ヒロインの全身を露わにさせる。
ビクッとなったヒロインだが、ヒーローの肩にしがみつくだけであった。

「…こんなに乳首が硬くなってる」

キスを終え、ヒーローはヒロインの上に覆い被さりながら、ピンッと硬く尖る両方の乳首を見つめる。

「言わないで、ください…っ…恥ずかしい…」
「これが普通の反応だ、恥ずかしがる事はない…」
「あっ…」

ヒーローの両手が、乳首へと添えられる。
親指と人差し指で乳首の根元を摘むと、クイクイッと捻る。

「あぁんっ」

触れてほしくてたまらなかった乳首に、漸くヒーローが触れてくれ、ヒロインは直ぐに声を上げてしまう。

「あんたが来てくれて嬉しい。ヒロイン、あんたには必ず、薬草を手に入れさせてやる…。だから…」

そう呟きながら、ヒーローは顔を左の乳首へと近づけていく。

「今は俺に…抱かれてろ…」
「ヒーローさん…ああっ!」

ヒロインの声が、甲高いものになる。
左の乳首が、するりとヒーローの口内に入ってしまったかと思うと、そのままちゅううっと音を立てて吸われていた。

「あぁんっ、あっ、ああんっ」

痛いほど硬く凝ってしまっていた左の乳首に、ヒーローの温かい唇で思い切り吸われると、その凝りがみるみる解れていき、ヒロインは悦びの甘い声を上げてしまう。
そして、右の乳首も捻ったまま上へと引っ張り、右左へと押し倒しながら転がしていく。

「あぁあんっ、ああん」

再び、ヒロインはヒーローの頭を掴み、もっとして欲しいと訴える。
それに応えるように、ヒーローはちゅうううっと、強めに音を立てて左の乳首を吸う。

「はあぁんっ、ああん」

凝りは解れていたが、硬さは更に増してしまい、ヒーローの唇にその弾力を押し付けていた。
ちゅぱっと音を立て乳首を引き抜くと、今度はぴちゃりと音を立て、舌を細かく刻むように動かし、乳頭の部分を刺激していく。

「はああん…あぁん…」

そして、右の乳首を指の間に挟むと、乳房の柔らかさを確かめようと、ぐにゅぐにゅと揉みしだいていく。

「ああん、はぁん…あぁん…」

気持ち良い、ヒロインの中にはもうその事しか無かった。
初めて会った人とこんな事を…と、頭の中ではまだ思ってしまったが、もう止められない。
ヒーローの右の乳房を揉んでいた手が、再び乳首の輪郭をなぞるように動き、そして人差し指の指先だけで触れると、左右にゆっくりと転がしていく。

「はあぁん、ああんっ」

甘い痺れが乳首が動く度に伝わり、ヒロインは頭をベッドの布団に押し付けてしまう。
そうする事で、乳首がヒーローに突き出てしまい、彼は左の乳首を再び口の中に含み、ちゅうちゅうと吸い上げ、右の乳首も捏ねるように転がしていく。

「あぁあん、あん、あんっ、はああん…ヒーロー、さ、ん…」

ヒーローのサラサラの金色の髪に触れながら、ヒロインは彼の名を呼ぶ。
すっと、左の乳首を吸いながら、左手が右の乳首から離れ、お腹を伝い、そのままヒロインの脚の間へと入っていく。

「!」

初めて触れられるそこは、乳首の愛撫で感じてしまった証が、蜜となって溢れていた。
ヒーローの指が入り、優しくそこをなぞられ始めると、思わずヒロインは彼にしがみついていた。

「あぁあん!や、いやぁ…ヒーローさ、ん…そこ…汚…っ…」
「ん、ちゅ。…汚くなんかない。あんたのここにも触れたい…」
「そ、んな…でも…っ、あっ、ああんっ」

乳首をちゅうっと強めに吸われると、抵抗の言葉が喘ぎへと変わってしまう。
ヒーローの指は更に奥へと進み、蜜が溢れるそこに指の腹を当てると、ゆっくりと上下に動かしていく。

「あぁっ、はぁあん…」

ヒーローの指が動くと、蜜がじわっと溢れていくのを感じ、ヒロインは更に強く彼にしがみつく。
ヒーローはヒロインの溢れてくる蜜を指に絡ませながら、丁寧に優しく、そこをなぞっていく。

「はあぁ…ん、あ、あぁ…ん」

喘ぎながら、ヒロインは自ら足を開いてしまうのを感じた。
もっとそこを触れてほしい、そんな思いで一杯であった。
ヒーローは、そんなヒロインの思いが分かったのか、指を移動させ、ある突起を見つけると、そこに指の腹をあてがった。

「!ああっ!」

触れただけなのに、ヒロインは大きく声を上げてしまった。

「…これがいいのか…」

ヒロインの反応だけで、ヒーローは彼女が今触れている突起が一番感じると理解した。
ヒーローは、触れた突起をそのまま上下になぞる様に指を動かす。

「あぁあんっ、やあっ…ヒーローさんだめ…ああん」

乳首よりも更に強い甘美な快楽が、ヒーローがその突起を動かす度に伝わり、ヒロインは嫌々と首を横に振る。

「ん…もっと気持ちよくなるから。…俺に任せてよ、ヒロイン…」

乳首をチロチロと優しく舐めあげ、指で愛撫する突起も、優しく、そして確実に撫で上げていく。

「ああん…はぁあ…あん」

強い快楽に、ヒロインは喘ぐ事しか出来ない。
そして、ヒーローの突起を愛撫する指の動きが変わり、今度は指の腹で突起を全て包み込むと、捏ねながら円を描く様に突起を転がし始める。

「あぁあんっ!ああん!ヒーローさんだめぇ…やああんっ」

腰から下が震え始め、脚に力が入らなくなっていた。
初めて味わう感覚に、ヒロインはただ声を上げる。

「クス…ん、イきそう…?」

乳首をちゅぱっと引き抜き、ヒーローは頬を染めて喘ぐヒロインを見つめる。

「な、んだか…変…な…ああっ…私…おか、しい…っ」
「大丈夫。ヒロインが…すごく気持ちよくなろうとしてるだけ…」

そう優しく呟くと、ヒーローは再び乳首を下から上へと舐めあげ、突起を転がしながら、指を振動させる様に素早く動かしていく。
その瞬間、舐めあげた乳首が更に硬さを増し、ピンッとそそり立ち、ヒロインはヒーローにしがみつき大きく震えていた。

「あぁああん!だめ、だめぇ!はあぁあんっ!!」

震えは全身に行き渡り、ヒロインは首を大きく仰け反らせてしまった。
震えが治る頃には、ヒロインは新鮮な息を求めはあはあとし、ヒーローが優しくそれを見つめていた。

「…どうだった?」
「…私…気持ち…良くて…」
「クス、ヒロインはイったんだよ」
「イく…?今の、が…」

何となくだが、イくというのは快楽の頂点へと登りつめる、という意味を、ヒロインは理解していた。
だが、勿論初めて経験し、暫し呆然とヒーローを見つめていた。

「…ヒロイン、可愛い」
「っ…ん…」

ヒーローはヒロインに覆い被さり、優しくキスをする。

「…これからは少し、痛いと思う。…けど、俺も、我慢が限界だ…」
「ヒーローさん…あっ、あぁ…!」

一瞬、ヒロインの蜜が溢れるそこに熱いものが当てられたと理解すると、直ぐにそれはグチュリという水音を上げ、彼女の中へと挿入を始めていた。
ヒーローの先端が、ヒロインの膣の壁を擦りながら、ゆっくりと奥を目指して進んでいく。

「ああう…っ、い、た…っ」

初めて男性のものを受け入れ、イッたとはいえ、やはり痛みは強い。
ヒロインの表情が歪むと、ヒーローは彼女の頬を優しく撫でる。

「…っ、俺の背中に爪立てていいから…」
「ヒーローさ…ん…っ」

ヒーローは優しく、ヒロインを見つめていた。
彼は本当に、自分の事を考えてくれ、ゆっくりと挿入してくれていた。
ヒロインはヒーローの背に手を回し、コクンと頷く。

「ヒロイン…ッく…」
「ああっ…!」

ヒーローのものが再び動き出し、奥へと進んでいく。
ヒロインは必死にヒーローの背中にしがみつき、彼を受け入れようとした。
そして、ヒーローのものが奥へと辿り着くと、彼はヒロインを見つめる。

「…大丈夫か…?」
「は、い…痛く…ない、です…」

先程よりも痛みはなかった、それは本当であった。
ヒーローが自分を優しく愛撫してくれたお陰だろうと、ヒロインは笑顔で返事をした。

「…なら良かった。…痛かったら、言って」

ヒーローはそう言うと、ゆっくりと腰を動かし始める。

「っ…く…」

彼のものか膣の中を擦りながら動き、ズキンと痛さが走る。
だが、ヒーローに心配かけたくないと、ヒロインは背中にしがみつき痛みに耐える。
何度かゆっくりと膣の中をヒーローのものが動く度に、不思議と痛みは無くなっていった。
それどころか、再びあの甘美な快感が現れ始めてしまっていた。

「はあぁ…ん」

ヒーローの先端が、膣壁をスルスルと擦りながら奥へと辿り着く感覚が、痛みではなく快楽に変わり、ヒロインの声は再び喘ぎへと変わっていた。

「…気持ち良くなった?」
「あ…は、い…もう…痛くない…」
「クス…良かった」

ヒーローはヒロインの顔を覗き込み、唇に軽くキスを落とす。
そして、腰の動きを早めていき、リズム良く自身を動かしヒロインの奥を突き上げていく。

「ああんっ、あっ、あっあんっ」

ヒーローのものが動く度に、自然と彼のものを締め付けてしまう。
彼を逃さないようにと、身体が自然に動いていた。

「良い締め付けだ…」
「ああん、ヒーローさん…っ」

それはヒロインの本心でもあった。
ヒロインはいつの間にか、ヒーローに心を奪われていた。
彼の事が、好きになってしまっていた。
今日初めて出会い、その夜にこうして身体を繋げてしまうなんてと、母が聞いたら怒りそうな話であったが、それでも、ヒロインはヒーローを好きになっていた。
ヒーローの根元の部分が、一端外へと抜け出していく。
ヒロインは抜かれると思い、彼を抱き締める。

「いやあ…ヒーローさん抜かないで…っ」
「…ヒロイン…」

ヒロインの反応にヒーローも少し驚いていた様だが、直ぐに笑みを浮かべ、そのままぐいっと一気に最奥を突く。

「あぁあんっ!!」

ビクッと、甘い痺れが一気に膣の奥から伝わり、ヒロインは声を大きく上げてしまう。

「…ほんと、あんた可愛い。ヒロイン…俺はあんたが好きだ…」
「えっ…はあぁあんっ」

ヒーローの告白に驚いていると、更に彼のものが奥に当たり、ヒロインは声を上げてしまう。
ヒーローは、少し起き上がるとヒロインの腰を掴み、彼女の足を大きく開かせると、反動をつけ、自身を動かしていく。

「あんたに…一目惚れした。だから…あんたが温泉に入るのを見て、俺も入った…ッ」
「ああんっ、はあぁんっ」
「あんたを抱きたくて…あんたを俺のものにしたくて…。ヒロイン…あんたの事が好きだ…ッ」

腰の動きを早め、自身を確実に奥へと突き上げながら、ヒーローは言う。

「あぁんっ、あっ、あっあぁん。ヒーローさ…ん…っ、私も…貴方の事が…好き…っ」

ヒーローを見つめ、はっきりと、そうヒロインも言った。

「貴方に触れてほしくて…我慢、出来なくて…だから…部屋まで…来ちゃったんです…。ヒーローさんの事が…好きだから…」
「ヒロイン…。ありがとう、嬉しい…」
「んっ…」

繋がったまま、二人は再びキスをする。
お互いの想いが伝わり合い、甘く幸せなものであった。
そして、キスが終わると、ヒーローは再び動き出し、自身を波打たせていく。

「あぁあんっ、はああん」
「く…ッ」

ヒーローのものが動くと、ヒロインが強い力で締め付け、それを跳ね除けて奥へと突き上げる。
この動作が、お互いの快楽を引き起こしている。
想いが通じ合ったことで、二人の快楽は更に強いものへと変化していった。
何度か奥を突き上げた時、ヒーローのものをヒロインが強い力で締め付けた時、彼のものが大きく波打っていた。

「ああんっ、ヒーローさ、ん…っ!」
「く…ッ…!」

ヒーローの整った表情が快楽に歪む。
そして、彼は最後にグンッと奥を突き上げると、ヒロインの中から自身を引き抜き、彼女のお腹に熱い欲望を果たした。

「ヒーロー…さん…」

ヒロインはヒーローを見つめていた。
初めて好きになった人と、身体を繋げられた喜び。
それは、初めて魔法を覚えられた時よりも嬉しいものであった。

「…ヒロイン…」

ちゅっと、ヒーローはヒロインのおでこにキスを落とす。

「これ、約束の」
「えっ」

ベッドの脇のテーブルにあったものを、ヒーローはひょいと掴みヒロインの手に握らせた。
それは、濃い緑色が印象的な薬草であった。

「俺、毎日あの山に行って薬草取ってきて、店で売ってる」
「えっ…そうだったんですか…でも、良いんですか?貰っちゃって…」

裸のまま、ヒロインは薬草を見つめる。

「約束しただろ、あんたに触れさせてくれたら、手に握らせてやるって」

ヒーローはヒロインの隣に横になり、彼女の頭を撫でる。

「で、でも…私…も、ヒーローさんに触れてほしくて…」

そう言いながら、ヒロインの顔が再び赤くなる。

「好きになった女が困ってるのに、ほっとく男はいないだろ。何も言わず貰え、な?明日、あんたの村まで俺も一緒に行くから」
「ヒーローさん…」

ヒーローの優しさに、ヒロインは胸を打たれる。

「…さんはいらない、ヒーローでいい。それと、敬語はいらない」
「え、じ、じゃあ…ヒーロー…」
「クス、それでいい…」

頬を染めて言うヒロインが可愛くて、ヒーローは彼女にキスをする。

「ん…っ」

ヒロインも自ら舌を出し、ヒーローと舌を絡ませ合う。
ヒーローの指がヒロインの乳首へと這わされ、辿り着いた途端、くにくにと乳首を捻っていく。

「んっ、ぁ…あんっ…ん」
「…もう一回…しようか…」
「え…っ、ああんっ」

乳首がヒーローの口内へと消えた瞬間、ヒロインの口からは再び甘い声が上がっていた。
ヒロインを愛撫しながら、ヒーローは本当の事を言うまいか迷っていたが、やはり言うのを止めた。

(山の魔物が魔法が効かないなんて…本当かどうか分からない。…クス、ごめんなヒロイン…)

一目惚れした女性を、どうしても手に入れたかったヒーローであったー。



翌日、ヒーローと共に村へと帰ったヒロインは、直ぐに薬草を村中配って回った。
そのお陰で、病に苦しんでいた人々、ヒロインの母も皆回復し、元気になったのであったー。


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