何となく起きとったら、気付けば12時を回っとった。
途端に鳴りだす携帯に本気でびびった。


「うお!何や!?」

確かめてみれば凄い量のメール。読んでみれば全部誕生日を祝う内容やった。

あんま意識しとらんかったけど祝ってもらえるとなんや照れくさくなるもんやな。

誰も居らん部屋で身じろぎしとる俺はなんか変人みたいや。
きっかり12時に送ってきた白石やデコデコしたデザインを送ってきた小春など部活の奴らや仲良い奴らの性格が出とって読むとおもろい。

全部見終わって、一人、アイツから来てない事に少しがっかりした。


(…まあ、別に来るとも思わんかったし)

誕生日を教えた覚えもあらへんし、とかふと頭の中で色々理由を考えとる自分に気付く。


「…て、俺は女子か!」

恋人から誕生日を祝ってもらえるのを待ちわびてるとかどんだけやねん!うわぁ〜、ホンマ女々しいわ俺…。


「はぁ、…もう寝るか」

勢い余って投げてしもた携帯を拾いに手を伸ばした瞬間携帯が鳴った。


「まさか…!」

恐る恐る携帯を開くとメールが一件、受信ボックスを開く…。




「…メルマガかいっ!」

ほんの少し、いやかなり期待した分落胆は激しかった。


「…て、俺は女子か!」

思わずさっきと同じツッコミしてもうた。どんだけ女々しいんねん俺…。
もうホンマに寝よ、すぐ寝よ、全力で寝よ。

またもや投げてしもた携帯を拾いあげてると今度は窓に何かが当たった。

今度はイタズラか?何やねん夜中に。何処のクソガキや!

無視を決め込もうとしたら今度は連続して窓に当てやがった。


「何や!今何時やと思っとんねん!?」

思いっきり開けた所為で窓が変な音した気ぃすんが考える余裕なんかない。そして、窓に物当てた犯人を見て、さらに思考が停止した。



「やほ〜」
「名前!?な、お前なにしてんねや?!」

呑気にこっちに向かって手を振る名前に本気で驚き、ダッシュで外に出る。
出てきた俺を見て本人は「さっすがスピードスター」なんて笑てる。


「今、何時やと思ってんねん!?」
「それさっきも聞いたよ、夜中にごめんね」
「そうやなくて!危ないやろ!?」

そう言えば、何が?と言いたそうに首を傾げる。そんな仕草も可愛えとか思た自分、相当末期や。


「…お前は女なんやから危ないやろ?」

この鈍感さに脱力しながらゆっくり言えば、「あぁ、そういうこと…」と理解したように拳を叩いた後、でもでも!と続けた。


「謙也の誕生日、誰よりも早く会いたくて!」

誕生日おめでとう!なんて笑顔で言われた瞬間、一気に胸が温かくなった俺は本気で単純で名前馬鹿や。


「ほら、早く早く!誕生日深夜デートしよ!」

自転車に跨り後ろを叩く彼女に気付かれないように緩みきった頬を押さえてつけて歩き出した。




白馬に乗ったお姫様


(何ニヤニヤしてんの?) (何でもないわ。あ、俺が漕いだる) (やった!かっ飛ばせスピードスター!) (まかせとき!)





------------
相変わらず遅れます。
おくれてごめん謙也!でも愛はあるよ!

Happy Birth Day!謙也!


110320






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -