「今のでテストはみんな戻ったな。じゃあ、赤点とったやつは各々課題とか再試のこと、職員室前の掲示板で確認しとけよー、以上」
三連休楽しめよーという原田先生の素敵な笑顔でHRは終わった。
三連休…三連きゅう…さんれん……
「山本、古典は課題提出らしいぞー。あとで土方さんのとこに直接聞きに行けよー」
「うげー」
それは口に出すなよ、なんて苦笑して、バックれるなよとしっかり釘を刺してから原田先生は職員室に帰って行った。
「じゃあ頑張んなさいよ、古典。私は帰るから」
「ちょっ、そんな殺生な!」
バイトなんだよ、と颯爽と走り去った友の背中を暫く恨めしく見たけど、国語準備室の土方先生はいなくなるどころか、彼の怒りのバロメータを上げるだけな気がしなくもないので、そこへと重い重い足を向かわせた。
「しつれーします」
「おい、ノックぐらいしろよな、家じゃねえんだから」
いや、ノックするドアが全開なんだよ。
全開の入り口からは山積みの提出物に埋れた土方先生がいた。
「いや、ノックするはずのドアが飽きっぱだったもんで…」
「そりゃ、さっき総司が来て開けっ放しで出てったからな」
ちらっと山の間からこっちを見て、小さく笑った。
「知ってたんですか。ってか、家だったら良いんですか、勝手に入っても」
「バカか、お前は」
なんの為の合鍵だよ、て私のスクバにいる某猫型ロボットのキーケースホルダー指差した。
今夜のご飯はどうします?
出前で良いだろ、が彼の十八番。