「お腹の子、順調に成長してますね。4ヶ月になると段々と脳も働き始めて、お母さんの気持ちなど影響出てきますから、ストレスなんて抱えちゃダメですよ」


優しい表情でお腹を撫でてくれた先生は、よく食べてよく寝て、よく旦那さまに甘えなさい、と笑った。


「はーい、じゃあほどほどに頑張ります」

「そうね、じゃあ定期健診お疲れさま」


看護師さんの気をつけてお帰りくださいの声と先生に微笑まれて病院を出た。

土曜日だって言うのに私立に務める左之さんは出勤だ。
なんでも週明けから学期末テストがあるみたいで、テストを作るとかなんとか。
そんな必死にテスト作ってるのに高校生のときの私ったら、そりゃもう珍回答しかしなかったなぁ、ごめんなさい。


「今日のご飯は何がいいかなー。パスタ食べたいけどなぁー」


幸い悪阻とかあまり重いタイプじゃないみたいで、妊婦あるあるのご飯と匂いが無理、とかそう言うのはない。
担当医もゆるーいおばあちゃん先生だから特に何かを制限しろとか言わないし。


「女の子かなー、男の子かなー。左之さんに似てるといいな」


左之さんと暮らしてもう1ヶ月経った。
昨日は結婚指輪なんて貰った。

サプライズがいきなり過ぎて照れ隠しに抱きついたら、ばっばか!離れろよ!なんて可愛い反応するもんだから30分は抱きついててあげた。
最後の方は諦めてたけど、最初の10分くらいはソファでおろおろしてた左之さんが面白かった。
左之さんは本当に良い人だ。


「ねー、赤さん、あなたは幸せもんだねー。あんなに良いおとうさんいないよ。早く顔が見たいねー」


まだ反応しないお腹に微笑んで、確か醤油とお米が特売だった気がするのでスーパーに寄ることにした。

きっと買い物終わる頃には左之さんも駅に着いてるだろうし、荷物でも持ってもらおう。
べ、別にパシリなんかじゃないんだから。



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