赤さんが生まれてからというもの、左之さんは今まで以上に光の早さで家に帰って来る。
新八さんの話によると、もう赤さんが可愛くて可愛くて仕方ないかららしい。
「ただいまー…寝てるのか?」
「あ、おかえりなさい。うん、お腹いっぱいになったみたいで」
噂をすれば帰ってきた左之さんはネクタイを外しながら、新八さんがプレゼントしてくれたベビーベッドにひょこっと顔を出す。
このプレゼントに関しては、ノータッチで。
「今日は特に困ったことなかったか?」
「だいじょーぶ!赤さんもいい子だったし、左之さんは早く帰ってきてくれるし…」
そっと赤さんの額を撫でる左之さん。
まだに力の加減がわかんねぇ、とぼやいてたのはついこの前の話で、もう幾度も抱っこしてるのに未だに緊張するんだとか。
「なら良かった。…なんか、こうやって、ぎゅって小さい手で握られると、必要とされてんだなって、なんか、柄にもなく、きゅんとくるというか…」
左之さんは指が赤さんの手に触れると、赤さんはその指を強く握った。
それを見て微笑む左之さん。
「左之さん、手貸して」
「ん?あぁ…」
私の前に伸びてきた手を、しっかり握った。
「私も左之さんが必要なんだから」
別に赤さんに嫉妬したわけじゃないんだからね、って付け足すと左之さんは、小さく吹き出して、頬にキスをくれた。
把握反射
今更赤さんが指を握るのは反射なんだよ、なんて言えない。
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番外編第一弾
有名かもしれないですが、新生児の手のひらに触れるとぎゅっと握ってくれるアレですが、あれは人、物関係なく手のひらに何かが触ることで起こる反射なんですね( ´ω`)
それでも握られると嬉しい