お前ェらうるせェんだよォオ!という銀ちゃんの声により
再び本題に入り始める

「万事屋に住むのはダメなのかい」
「出来るなら一人暮らしがよいのです」
「だけど、こんなところ一人じゃ不安じゃないか」
「まァ・・・そうなんですけど・・・」

そうだね、とお登勢さんは悩みどこかに電話し始める

「胡桃ちゃんはここに来る前どこにいたんですか?」
「・・・放浪?」
「ンだよ、ホームレ ブフォ!!」

何すんだァァ!!と銀ちゃんが雄叫びをあげる
ホームレスじゃないやい
ちゃんと食っちゃ寝する場所はあったやい

「宇宙を旅してたって言ったら聞こえいいですか?」
「宇宙アルか!?」
「何?チャイナっ娘、宇宙行ったことないの?」
「チャイナっ娘ってやめろヨ。キモイ」

女王様とお呼び、なんて言うから
うるせェ、年下の分際で、と返しておいた

「チャイナっ娘もメガネも行ったことないんですかぁ?」
「メガネって僕のことですか」
「お前以外誰がおんねん」
「変な関西弁はやめてください」

新八ってさっき名乗ったでしょう、と言ってメガネを拭きだす
(拭いたところで地味なのは変わらないからね)
なんていうか、こう、ね。
人見知りは名前呼ぶのもなんか恥ずかしいみたいなところあんのよ!多分!

「とりあえず。家がほしいんです!」
「何?お前もう宇宙は行かねェの?」
「一応、今のところは・・・」
「でも胡桃ちゃんって見たところ神楽ちゃんと同じくらいの年ですよね?
 一人暮らしって大丈夫なんですか」
「こんなチャイナと一緒にしないください!こんなちんちくりん!」
「オ前モナ」
「何をををを!」

失礼ですけど私はもう15歳ですよ、と言えば
神楽ちゃんの一つ上だね、とメガネが答える
1つしか変わらないことにショックを覚えながら出された水を飲む

「いい物件見つけたよ」
「本当ですか!?」

お登勢さんは電話を切りタバコに火をつけた
今日から入っていいって言ってたからね、と笑う

「ありがとうございます、本当に
 で、家はどちらで?」
「ここの向かいさね。初めての歌舞伎町で少なからず不安だろうと思って
 ここから近くで、って言ったらちょうど向かいの家が空いててね」

困ったことがあったら遠慮なく来な、そう私の頭をなでる
久しぶりに人の温かさに触れたような気がしてむず痒かった
ありがとうございます、と何度も頭を下げ出で行く

「ちょっと待てェ」
「ングェッ」

出て行こうとしたら銀ちゃんに後襟を引っ張られる
何するんですか?!
お前ェ、依頼料払えよ、と銀ちゃんは手をだす
・・・お前なんもしてなくね?

「でもまァ、お登勢さん紹介してもらったし・・・」
「そーだ、これは払わなきゃなァ」
「しかしなんと、お金ないんですよぉ」
「「「は?」」」

初めてこの3人が団結するところを見た気がしておぉ、と感心する
感心してる場合か!どーするアルか!などと批判を浴びるも
持ってないものはしょうがない。

「そうだ」
「ンァ?!なんだよ!!」
「私万事屋で働いて返します!
 ちょうどバイトとかしようと思ってたし」
「はァ?!なんだよそれ!」
「いいじゃないですかぁ、これも何かの縁ですよ
 これからよろしくお願いします」

笑顔でそう言って、では。とスナックお登勢を出る
こんな突拍子もないこと追いかけてきて拒否されるに決まっている
そうしたら冗談ですよ、って笑って万事屋さんとはさようならだ

「おい」
「なんですか?」
「なんだその・・・万事屋で働くとかは好きにすりゃいいがな、」
「はい?」
「敬語はやめねェか?ンで、神楽と新八のことも名前で呼んでやれ」
「よろしくね、胡桃ちゃん」
「毎日酢こんぶ買ってこいヨ」


ンまァそれが条件だ、なんて上から目線なことを言うんだろう

絶対拒否されると思っていたのになんでこの人は受け入れちゃうかなぁ
なんでそんな優しい笑顔をしてくれるのかなぁ

歌舞伎町ってもっと冷たい街だと聞いていたけど、
百聞は一見に如かず、ですね




 感謝 
 (よろしく、銀ちゃん。新八。神楽。)
 (ンだよちゃんと出来るじゃねェか)




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