だらんと無防備に曝け出された脚。ユニフォームの構造上日に晒されることのないその下肢は必然的に、白かった。加え無駄なものはなくしなやかで、息を呑むような美しいシルエットであった。もっとも、その白い肌ではシルエットには到底なり得ないのだが。
その魅惑的なラインに、この指を滑らせたい・なぞりたいと、思った。否、衝動に近い願望だ。幸い、と言うべきなのかコータローはその脚を投げ出したままぼーっとしている。
「(俺が自分の脚に見とれている、なんて微塵も思わないのだろうな)」
そう簡単に察せられても困るのだが、それに気付かない結構な鈍感さにもそろそろ苛立ちに似たものが募っていた。
背後に突っ立って見つめていたものだからふと振り返られた瞬間ぎょっとされた。
「っ、何だよンなとこ突っ立って」
「フー…何でもない」
「…ったく、何でもないで背後に立たれちゃ困るぜ」
「?何でお前が困るんだ」
途端にう、と詰まる声、顔。図星を突かれた、みたいな。
「いや、別に…そんな、特に意味は」
「物凄く怪しいな」
「るっせ!…ほっとけ」
口を尖らせるその仕草が可愛い。…とか一番に思う辺り俺は大分末期だ。にしても何をそんなに必死に言葉を濁そうとするのか。
「っだぁあもう!背後に立つなっつってんだろスマートじゃねえな!」
「お前が困って怒る意味が解らない」
「解んなくていいっつーの!」
「フー、俺は知りたいんだがな」
「…何でだよ」
「野暮なことを聞くな」
おめーも野暮だっつの!と声を張り上げる様子はいつもと変わらない。俺といるときは大体怒るか不機嫌になるかだ。もっと笑った顔も見てみたいものだ。
拗ねたようにまた口を尖らせる。そういえばよくやるな、この仕草。キスしたくなるからやめて欲しい。

さて、お前が俺の欲まみれの想いにいつ気付くのやら。





脚の描写をやりたかっただけです

20130322

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