部活帰りにドラッグストアに寄った。特に用があったわけではない。最近出来た店だったので、ちょっと覗いていこうというだけだった。店の外観通り店内は広く、思いがけずじっくりと居座ってしまう。
「お」
先程から、あまり他店で見ないような珍しい商品を手に取るエース様がまた何かを見つけたようで立ち止まった。俺もそちらへ目を向けて、ぎょっとした。
「花形、すげー種類あるぞ」
ぱっと見どんな商品かわかりにくい、様々なデザインの箱がずらりと並んでいる。そのわかりにくさがその商品の特徴とも言えるだろう。藤真が恥じらいもなく適当にひとつ取って、コツンと顔に寄せた。
「試してみる?」
「…お前な…」
俺の溜息にふふ、と笑って藤真は箱の裏を読み始めた。
「ふーん…これスースーするんだって。こっちは…ジェル付き。うわ、ニオイとか味付いてるのもあるぞ」
「お前もう少し、周りを気にしろよ…」
「大丈夫だろ、空いてるし近くに人居ないし」
好奇心旺盛なのは決して悪いことではないが、たまに俺の心臓に悪い。余程興味が尽きないのか、藤真は手当たり次第にそれがどんなものかを見ていく。端から見れば避妊具にはしゃぐ学生二人にしか見えないだろうがそれでも内心気が気でない。
「ん、これデコボコしてるヤツか」
またひとつ手に取ったそれをじ、と見つめてから、ふと俺の顔を見上げてきた。
「ただでさえイイのに、こんなんで花形にヤられたら俺気絶するかも…」
俺に聞こえるかどうかの声量でそう呟いた。微かに窺える恥じらいが俺の心臓の鼓動を速める。確実に確信犯である。そんな殺し文句を投げかけられた俺の方が気絶してしまいそうだ。





ドラッグストアに居座る男子高校生ってなんだか心躍るな…って

20131022

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