「ノブ、何か元気ないね?」
傍らの後輩がらしくなく沈んでいるような、物思いに耽っているような気がして神は声をかけた。顔をのぞき込むと清田ははっと気付いたようで、言葉になっていない声を漏らした。
「どうしたの?」
目線より下にある顔がこちらを見上げる。もやもやと曇った表情だ。清田は視線を下に逸らして、それから顔も神から逸らした。
「考え事、デス」
「ノブが考え事!珍しいね」
少しからかいを含めて言えば清田の頬がぷくりと膨らんだ。「ごめん、冗談だよ」とその頬を人差し指で軽く押す。清田は恨めしそうに神を一睨みしてから、ため込んだものを出すように息を吐いた。
「…好きって言われて」
「え?」
「おんなじクラスの奴に、告白されたんですよ」
清田にしては珍しく、声量を抑えて言うものだから余計に真剣味が出てくる。嘘でも冗談でもない事実であると知らしめている。神は黙って話に耳を傾けるに徹した。
「全然そういう風に思ってなくて、普通に友達って思ってたし…そう言ったらつらそうな顔して謝るから、なんか…ずっとモヤモヤしちゃって。レンアイとかそういうの向いてないんかな、とか、色々考えてたんですよ」
「…少し、わかるかも」
「神さん?」
「俺もさ、好きってよくわかんないんだよね。付き合ってどうするの?ってさ」
神からの思いがけない同調の声は、清田の目を見開かせた。







20140130

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