彼が強い者と戦いたがるのはもう仕方のないことだと思っている。だから強く止めはしなかったのだけれど、あそこまで返り討ちにされるとは。彼はスラーとかいうナビの繰り出した縄のようなモノでグルグルに拘束され、呆気なく裏の世界まで飛ばされてしまった。ある意味出戻りである。



「いい加減懲りました?」
「うるさい黙れ!」
「解くの手伝ってあげましょうか?」
「いらん!」



凄まじい勢いで地面に衝突したために、辺りはヒビパネルや穴パネルだらけだった。その中心でジタバタする彼の傍らにしゃがみ、覗き込む。まるで活きのいい魚そのものだ、と思ったけれどそれを言ってしまえば彼はブチギレるだろうから内に留めた。手を出したら噛みつかれそう。







20130803

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