漫画最終話くらいの時間軸





先月付き合ってたコより肌が白くて、二週間前に知り合ったコより髪の毛とか目とか綺麗で、一昨日デートしたコより一緒に居て楽しい。
「は?何だって?」
「だからあ!僕の基準がトランクスくんになってるんだよね」
「お前の何の基準?」
「んー…女の子の?」
「へえ〜」
トランクスくんは真面目だ。ちゃんと授業の予習復習を欠かさない。それは将来大企業を任される立場という彼の境遇もあるが、当人の几帳面な性格がそうさせるのだ。机に向かって教科書に目を通すトランクスくん、彼のベッドに寝転がって話しかける僕。一緒にやんちゃしてた頃が懐かしい。―――それにしても本当に僕の話聞いてくれてんのかな?結構おかしなこと言ってると思うんだけど。
「トランクスくん、僕の話聞いてる?」
「聞いてるよ。お前の女の子の基準が俺なんだろ?」
「合ってるけど…」
身を起こして彼の方を向く。けれど彼は教科書から視界を外すことはなく、これっぽっちもこっちを見てくれない。わかった、トランクスくんは僕の言葉をそのまま繰り返してるだけで、意味をちゃんと考えてないんだ。そう結論づけた僕は早速彼の意識を自分に向けさせようと挑んだ。
「ちょっとごめんねっ」一応一言断ってから、彼の手から教科書を奪い去った。案の定「コラ悟天!」と怒鳴られる。怒られるのは覚悟の上だ。追い出されるかもしれないが、幼馴染みだからって手を抜いて相手するトランクスくんが悪いんだ。軽くパラパラっと教科書をめくってみると、xだかyだかそういった記号だらけで直ぐに閉じてしまった。奪い返されないようにそれを両腕で抱えてホールドする。目の前には彼の父親そっくりの鋭い眼光。だいじょぶ、怖くない怖くない…
「何のつもりだ、勉強の邪魔はするなって言ったろ?!」
「だってさあ〜相手が僕だからって適当に構うから」
「ちゃんと構ってる」
「じゃあ僕の言ったこともっかいちゃんと考えてみてよ!」
「…悟天の…言ったこと…?」
すると腕を組んで眉間にシワを寄せる。そんな難しいこと言ってないんだけどな。もしや記憶にすら残ってない?
「んじゃあもっかい言うよ!僕の女の子の基準が、トランクスくんなの!」
「ああ、それがどうし…、………ん?」
ようやっと気付くべき点に気付いたようで、トランクスくんは青い目をまんまるくした。きょとんとした顔がなんだかかわいい。って「かわいい」ってもしかして僕相当重症なんじゃない?けれど彼は呆れたような表情を浮かべて言うのだ。
「………冗談言ってないでそれ返せ」
冗談なんて言葉で片付けられたら流石の僕もカチンとくるわけで、「あ、そう。そんなこと言うんだ」なんて子供っぽいセリフを吐いてしまう。
「じゃあ自力で奪ってみなよ」
「は?」
ガッチリ抱えていた教科書をわざと解放する。「ほらほら」とぺらぺら宙に浮かせると彼の目がギッと変わった。今だ、と思った瞬間素早く手が伸びてくる。全神経を集中させてかわした。トランクスくん相手じゃこんなことをするのも一苦労だ。





(メモ)女の子とトランクスを比べてることに気付いてアレこれ好きなんじゃね?な話

じゃれてる天+トラって感じで

20130507

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