「さっきから何してるんだ?」
「あぁ、勉強だよ勉強」
「なぜだ」
「え、テスト近いから」
「……お前はW.I.S.Eのメンバーの筈だろう」
「そうだけど、まだW.I.S.Eってバレてないし、学校には通ってるからね」
「…いつ?」
「へ?」
「いつ、あんたはこちら側に来るんだ?」
「こちら側にくるって、学校行かなくなるのはいつだ、ってこと?」
「ああ」
「んー、瞬間移動と爆塵者がW.I.S.Eに入って本格的に活動し始めたら、かな?」
「それまでは学校に行くつもりか?」
「うん」
「なぜだ」
「え?」
「なぜ、人のフリをし続ける。W.I.S.Eに入った時点で止めようとは思わなかったのか?」
「んー、やらなきゃいけないことがあるから」

「……」
「学校生活も何気に楽しかったんだよ。だから、踏ん切りつけるのに時間がいるの」
「殻を破ったままで、息苦しいとは思わないのか」
「そりゃ、精神的にキツいこともあるよ。てか、そればっかりだけど、二年も通ってたからねえ。愛着わいてんのかも」
「…俺にはわからない」
「………?」
「俺はそんな感情持ってないからわからない」
「………」
「……俺はあんたが理解できない」
「………03号?」
「……(それでも、俺は)」
「なあ」
「なに?」
「明日もここに来ていいか?」
「え、うん。いつでもどうぞ」
「そうか」



あなたと勉強