食べさせちゃえばいい
ヤッホー!
僕エメット!サブウェイボスやってる!僕にはインゴっていう兄さんがいるんだけど僕とは見た目以外全然違うんだ
バトルは2人共好きだけど机仕事とかは机が見えなくなるくらい僕ためちゃうけどインゴはすぐに片付けちゃう…
だから今はインゴに捕まって書類の山と戦ってるんだ
…めんどくさいなぁ
「失礼します、書類を届けに来ました」
「Oh!!名前!!」
「こんにちは、白ボス、よろしければ抱きつきながら胸を揉むのをやめていただきたいのですがというかやめてください」
「名前の小さいからおっきくしてあげようとしてるんじゃん」
「こちらの女性が大きいだけです!」
この背の小さい子(あっちでは大きい方らしい)は名前!カントウから来たんだ!受付とトレインの管理してるんだ!
それにね…
「お前、戯れていないでさっさと書類を渡しなさい」
「ちっ…えー、ごふんっ……何も言ってませんどうぞ、黒ボス」
「名前ー、書類はもっと丁寧に置こうね」
「あ、はいすみません…ではトレインの作業が残っていますので失礼します」
「えぇ!もういっちゃうのー?」
「えぇ、速やかに自分の持ち場に戻りなさい」
「はい、喜んで」
そういうと名前は僕の腕の中からいつの間にか抜け出して(抜け出しLevelが上がってる!)音をたてながら出ていっちゃった
「………もう、行っちゃったじゃんかぁ…って、インゴ何やってるの!!
紐出さない!天井吊るさない!首かけようとしない!!」
「私…もう、死にます」
「ダメだって!名前、優しいから許してくれる!」
「私…許していただいたとしても確実に嫌われていました」
「もうそんな事ないって!」
そう、名前はインゴの好きな人なんだ!
さっきの会話を聞いてわかるように、インゴ、本気で好きな人出来たの初めてだから名前の前ではどうしても素直になれなくなる、その度に名前が帰った後にどっかのアニメの、名前を横に書いたら可哀想になる先生みたいに首吊るそうとするんだ
「私、一体どうしたら…」
「早く名前に告白すればいいんじゃん」
「無理でございます。今、告白などしたらふざけているのかと追い返されてしまいます」
もう!インゴめんどくさい!早く解決して僕の分の書類かたづけて欲しいのに!
どうしたらいいのか…あっ!
僕はいいアイディアを思い付くともう足が動いてた、後ろでインゴが騒いでたけど…まぁ、いいや!
それより今は名前のところに行かなくちゃ!
▲▽
こんにちは、名前です
白ボスに書類を提出しに行く度セクハラをしてくるのやめてもらいたい名前です
何故ああもこっちの人はスキンシップが激しいのだろう(イケメンだし胸でかいし背高いし)、笑顔はまさしく天使なのに…
そして、何よりあの黒ボスだ
何で双子なのに「えぇ」の一言さえこんなに違うんだろう
黒ボスは他の人もだけど私だけ態度が周りより少しキツい…特にトレイン整備の先輩と一緒にいる時なんて目が本気だ
「何なんだし…」
「名前ーっ!!」
「あれ?白ボスどうしましたか?尻に手をあてないでください」
「さっきはインゴがごめん」
あぁ、手をどけてくれればマジ天使なのに…
私はさりげなく白ボスから離れると「やっぱり抜け出しLevel上がった!」と言われた、そりゃあ、毎日のようにされれば嫌でもあがる、お陰様でそこら辺の変態なんかでは私を捕まえられないようになった
「いえ、いつもの事なんで気にしてません」
「本当に?インゴ嫌いになってない?」
「なってませんよ」
「じゃあ、インゴ好き?」
「はい、当たり前じゃないですか」
「えっ!」
何故だか驚かれて首をかしげていると「さっきまであんなに悪口言ってたのに…」と呟いた、どうやら思ってた事を口に出してしまっていたらしい
「寧ろ親しいくらいなんですが…?」
「どこがぁ?!インゴといる時のあんな機嫌が悪い名前、見た事ないよ!クラウドとかノボリやクダリといる時の方が仲良く見えるよ!」
「いや、ですから…私、親しい方には沢山の感情が顔や態度に出ちゃうんですよ」
事実、私はノボリボスたちには常に笑顔を心掛けている
その点、黒ボスはそんなの関係なく自然体でいられる…だから怒る態度があからさま見られるのは私からしてみればかなり親しい事なのだ
「へぇ…案外脈ありなのかもね」
「何がですか?」
「フフフ、何でもなーい」
「じゃあ、私はこれで―…?」意味深に笑う白ボスに問いの視線を送るが応えは帰ってこなかった
仕方がないので一言いって仕事に戻ろうとすると白ボスに肩を掴まれる
「仕事あと少し何でしょ?もういいよ、今日は名前泊まりだし明日やればいいよ」
「そうですが、明日は休日で忙しくなりそうなので今日に仕事を終わらした方が楽かと…」
「それに今しかバスタブ使えないと思うよ?」
「…………では、遠慮なく…」
こっちの人は平気だろうけど私にとってお風呂に浸かれないのは非常に耐え難い、それに男女比は言うまでもない上に泊まっていく女性なんかは私ぐらいの為、シャワーやバスタブは男性用しかない、だから時間を組んで交代制で入らしてもらっているのだ
「では、お先に失礼します」
「はーい!僕看板書いておくね」
「ありがとうございます」
浴槽のドアの前には誰が入っているか書いてある看板が貼ってあるのだが、それは白ボスに頼むとしよう、一応何かしないように強く念をおしてドアを閉める
「お風呂、お湯張ってある…」
お湯を張っている間に髪やら体を洗おうとしたのにお湯はもう張ってあった、先輩か誰かが先に入ったのかな?
ガラッ
「………」
「………」
「「 …ちっ 」」
ドアが開いて何が起こったかわからなかったけど、入ってきたのが誰かわかった瞬間何故か舌打ちをしてしまった
それは向こうも同じらしく私の姿を見て舌打ちをする
「早く閉めていただけませんか?」
「お前ごときが私に指示するんじゃありません」
「指示じゃありません、お願いです」
「全く、お前の貧相な体を見せられて機嫌が悪いと言うのに」
「……どうも貧相ですみませんね」
ぶつぶつ言いながら風呂場から出ていく黒ボス
あれ可笑しいな看板にはちゃんと
「黒ボス…?」
「………」
「…はぁ、インゴさん?」
「…何でしょうか?」
何故か最近、名前で呼ばないと反応してくれないのだがその話はおいておいて今は看板だ
「看板に名前書いてありましたよね?」
「ありませんでしたよ、私はエメットに空いていると聞き入りにきたのです、なのに何故お前が入っているのです」
「白ボスゥウウウゥウウウッ!!」
白ボスの仕業かっ!!お母さんわかってました!あの子、いつか何かすると思ってました!でもこんな事するなんてお母さん思いもしませんでした!お母さんじゃないけど!
「騒がしいですよ!」
「すみませんーっ!今すぐ体洗って出ますから外で待っててください!」
「ええ、さっさとしなさい」
今までないくらい早く体を洗って、でもお湯に浸かるのは忘れずに、着替えて外にでると黒ボスが壁に寄りかかっていてこちらをにらんでいた
「遅いですよ」
「すみません、私行くところあるんで失礼します」
「待ちなさい」
「なんです――っ?!」
「髪が濡れていますよ」
黒ボスの横を通りすぎようとしたら肩を掴まれ、まだ乾かない髪を撫でられる、しかも近いしまるで黒ボスに成り済ました白ボスのように触ってくる
「い、あ、あとで拭きます」
「濡れた髪で歩き回れて床を濡らされては困ります。今すぐに拭きなさい」
「そうでしたね、すみません」
やっぱり黒ボスだ
私なんかの心配より床の心配ですよね、ちょっと期待した私がバカでした
そう思っていると自分の持っているふかふかのタオルを私の頭にのせ丁寧に拭いていく黒ボス
「ちょっ、く、黒ボス?!」
「インゴです」
「めんどくさっ!もう、インゴさん!私自分で拭けます」
「黙りなさい」
「〜〜っ!」
「離してしまったらお前はまた愚弟の方に行ってしまうじゃありませんか」
「…インゴさん今なんて言いましたか?」
「何も言ってません」
白ボスなら全然平気なのにインゴさんにここまで寄られると何故か顔に熱が集まってきて早く離れたいのにインゴさんは離してくれないしなんかぶつぶつ言ってるし
「い、インゴさんっ//!!」
「名前…」
「へ、あ、はい?」
急にタオルをとられて見えたのはドアップのインゴさんの顔だった、そういや名前呼ばれたね初めてだ、それに近い…近い近い近い!インゴさん近い!顔赤い気がします!ちょっとかわいい…って違う!いや、かわいいのは事実だけど、今はその話じゃなくて!
「えーっと…///
どうしました、インゴさん?」
「名前、お前は愚弟が好きなのですか?」
「…はい?」
「いいから答えなさい」
「う…好きですよ、来たばかりの右も左もわからない私に優しくしてくれましたし」
「………では、私は?」
「インゴさん?好きですよ?ぶっちゃけてしまうと私の中ではインゴさんが一番一緒にいて楽です」
「………」
なんだろう?インゴさん急に黙って下向いちゃったよ…不思議に思い顔を覗くとさっきより顔が真っ赤に染まっていてわずかに震えている…え?怒ってる?調子のってペラペラしゃべったから怒ってるのかな?そう思っているといきなり抱きしめてきた
「な、何して―っ」
「そう、ですか…なら、これからは遠慮しません」
「えっ?!えっと…///」
つか、何を?!つか、インゴさんが笑ってる、くそイケメンがっ!!何でこんなにドキドキするんだろうっ
「名前、覚悟なさい」
ちきしょー…白ボスめ、今度会ったら覚えておけよ
▲▽
「〜♪インゴ上手くいったかなぁ…」
告白出来ないなら―――
食べさせちゃえばいい
(あれ、僕の書類は?)
(やっておきました、次からは溜めないようにしなさい)
(やったっ!!(計画通り、インゴ機嫌良すぎ気持ち悪い)
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