「随分いやらしくなりましたね…キスだけでこんなになってしまうなんて」

「や、あっ…ふぁっ」


リビングのソファに腰かけたトキヤに後ろから抱き締められるような状態だった。トキヤの胸と春歌の背中がぴったりと重なる。
鼓動を共有するように。

トキヤの手がスカートをたくし上げながら太股を丹念に撫でたかと思えば、次の瞬間には、ショーツの上から割れ目をなぞるように触れる。
ソコは布を隔てていても判るほど熱く熟れ、蜜を蓄えていた。


「春歌。どうしてほしいですか?」


指の動きを止めずに、彼女の滑らかな頬に擦り寄る。ちゅ、と音を立ててキスをも送った。


「は…っ!あっ、あ」

「ねえ。その可愛らしい唇で、私に教えてください」


トキヤの甘い吐息が首筋を掠めて、春歌の身体が硬直する。

布地の上から敏感な陰核を優しく擽ってやれば一際甲高い声が上がった。絶頂に導くように擦り上げては、限界を迎える前に動きを止める。


「あっ…ああっ!んっ…らめっ……一ノ瀬、さんっ」

「何がダメなんです?」

「奥が…あ、ん…はあっ…熱く、て」

「それで?」


春歌の瞳から溢れる涙をべろりと舐め上げる。
真っ赤に染まった頬をそのまま食べてしまいたい衝動すら沸々と湧き起こる。

彼女の全てが、トキヤの加虐心をひどく駆り立てるのだ。


「一ノ瀬さん、ので、…イ、イかせて…くださ…」


トキヤが妖しく口角を上げた。


「私の、何で?」


一際大きく春歌の身体が跳ねた。
溢れる涙は掬いきれないほど止めどなく彼女の頬を流れる。

彼女には申し訳ないとは思いつつ、その雫を美しいと思った。


「うぅ…ぁ、…っ」

「春歌。答えて」


赤く染まった耳をそれよりも強い赤で包んでやる。唾液をたっぷり纏ったそれは春歌を聴覚から更に犯した。


「もう、やだ…お願い、します……トキヤさん…」


ぶわりと背筋を駆け巡る衝動。それを感じたのはトキヤだった。
羞恥から下の名前は呼べないと頑なに拒んだ春歌が、今まさにこの瞬間。小さく、嬌声に消え入りそうではあるものの、確かに紡いだ。

トキヤの全身が一気に熱を持つように火照り出す。それは彼の下半身も例外ではなくて。
ドクンと、大きく脈打った。


「…全く、君という人は」


小さく金属音と、布の擦れる音を鳴らしながらベルトを緩め、窮屈な自身を開放する。
春歌の軽い身体を腕で抱えて少し浮かせ、手早く彼女のショーツを横にずらすと、その隙間から躊躇いもなく一息で挿入した。


「ひっ、あああっ!」

「はぁ、……んっ」


繋がった場所がひどく、熱い。
どちらからともなくびくびくと痙攣する。

彼は彼女をきつく抱き締めた。

上半身の布は何ひとつ乱れていない二人。
春歌の着ているスカートの中ではこんなに淫らなことになっているというのに。
思わず口元が緩んだ。


「動きますよ」


程無くして我慢の限界を迎えたトキヤが春歌の腰を両手で掴んだ時。


「はーい、イッチー。そこまで」


聞こえた第三者の声に二人は一気に青ざめた。





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