夢小説 | ナノ
或る夏の熱くなる予定日の前日夜!


!
・2010年の夏コミ前にたぎって書きました。
・主人公は腐女子ちゃん。











全世界の皆さん。

―俺の彼女がヲタクです。





俺の彼女はかわいい。
いつもニコニコしているし、飯だって旨そうに食う。
フワッとしたミニから覗く脚にそそられるのが男ってもんだし顔だって、俺好み。
性格も、ぽやっとしてるところもあれば、結構心の強いところもある。

大抵のことは、分かち合ってきたし、これからも分け合うつもりだ。

ただし、俺にもどうにもならないことがある。


―それは、アイツが腐女子だってことだ。



「…なぁ」
「うー?うん」
「あのよ」
「うん、ちょっと待ってて。あー…企業も行きたいけど、ガレージ前まわるとしたら、ちょっとキツイし、あの子別ジャンル行っちゃったからな…分担できないし、リスク多いけど企業3日目にまわすかなー」


俺にとっては、本当に可愛い彼女なんだけど、今日はちょっと、いや、かなり様子が違っていた。
奇行にも見える。

突然、かなり分厚い本を途中から裂きはじめたりかと思えば、その本に猛然とマーカーで印をつけはじめたり「たぎる!萌える!」と雄たけびをはじめ(近所迷惑だ)、○×○!!と謎の呪文を唱え(俺迷惑だ)、大き目のカバンにラッピングした菓子をつめたかと思えば ペットボトルを凍らせたり、タオルを濡らし始めたり千円札の数を数えたりしている。(そんなに千円ばかりで財布が膨れないのか)


とにかくコイツは楽しそうだ。


「なあ…明日、何があるんだよ」
「留三郎くん、明日はこの夏で一番大切で熱い日になるんだよ」

丁度よく、TVではお天気お姉さんが盆明けが一番暑くなると言っていた。ていうか、この夏で一番大切な日は、俺と行った花火大会じゃなかったのか。射的で取ってやった、あひるを大切にすると言ってたじゃねえか。


しかしコイツは楽しそうだ。


「なあ…」
「今、忙しいから黙ってて!」

日焼け止めも忘れずに。日傘は危険だから、帽子。
ぶつぶつ言いながら、謎の行動はまだ続く。


「あのさ…」
「もう、あんまり煩いと潮江くんとカップリングするよ!」


何故文次郎!?ていうか、カップリングって何だ!


「あのー幸さん…」
「まだ、何かあるの?」
「あのさ…かまっていただけると嬉しいんですが」


そういうと、コイツは鳩は豆鉄砲食らったような顔しやがった。
仮にも、彼女の部屋に泊まりに来た彼氏にその仕打ちは無いだろう。


「かまって欲しかったの?」
「全力で、かまってオーラ出してたんだけど」
「でも、明日早いから―」

 
ちゅ。


「!」
「これで我慢してよ、明後日かまってあげるから」


そういうと、ウキウキと謎の作業に戻ってしまった。
俺はというと、顔が熱い。
アイツからしてくれるのは、ホントに珍しいから。

我ながら単純だ、と思いながら、明日の朝コイツをなんたら展示場まで車で送ってやろうかとか思ったりしてた。




(あのよ、明日なんたら展示場まで送ってやろうか?)
(車禁止!)

【2010.8.13 mixiに掲載】
【2012.2.4 転載】

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