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誘惑のsteady(2/4)

(えーと‥‥確か、JADEも今日の仕事はこの収録で終わりだって言ってたよね?)



そのまま早足で廊下を進みながら、私は収録前にJADEの皆さんと挨拶した時の事を思い返す



実際、何かと忙しかった秋羅さんと会えたのは、JADEのツアーが終わってからは今日が初めてだったから



「今日はもう、このまま一緒にいられたらいいのに‥‥」



淡い期待に胸を熱くしていると、あっという間に私に追いついた秋羅さんが今度は何故か急に立ち止まった



「? 秋羅さん?」



「‥‥‥‥」



けれど秋羅さんは、応える代わりに大きなため息を一つついてから



「うーん‥‥まあ、この辺りなら大丈夫か」



私達以外に人気のない廊下をちらりと見遣った後、なぜか今日は使われていない楽屋のドアに手をかける



「え、あの‥‥どうかしたんですか?」



何か急な用事でも思い出したのかと慌てて駆け寄ると



「さすがに、JADEの楽屋だとまだアイツらがいるだろうからね」



と意味深な笑顔で呟いた



「え?」



楽屋? ‥‥なら確かに、先に戻った神堂さん達もまだいると思うけど



でも、何で今そんな話をするんだろう?



困惑している私の肩を、秋羅さんにぐいと抱き寄せられて



「みのり、ほら」



「え‥‥きゃっ!?」



くるりと周囲の景色が回転した、と思った時には



私は楽屋の中で、ドアに手を付いた秋羅さんの腕の中に閉じ込められていた



そしてお互いの息がかかるくらい間近で、秋羅さんが呻くように呟く



「あのなあ‥‥俺だってずっと禁欲生活が続いてたのに、みのりにそんな事言われたら‥‥‥もう我慢なんて出来る訳ないだろ」



「そ、そんな‥‥私は別に何も」



禁欲生活、という言葉に慌ててかぶりを振ったけれど



「俺とずっと一緒にいたいって言ってたのに?」



「え? 何で‥‥」



私の言葉を遮った秋羅さんは楽しそうに笑っているばかりで何も言ってくれない



ふいに嫌な予感がして、体の芯がカッと熱くなった



(うそ、もしかして私‥‥‥)



「みのり、全部声に出してたし‥‥‥しかもそれ、俺にとっては願ってもない嬉しいおねだりなんだけど?」





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